英会話教室で学んだのは、セックスワードだけ! アタシが性病になるなんて~
前回お届けしたブラックの英会話教師のこと、皆さん、覚えているかしら? 今日は、その先生との結末について語ってみたいと思っています。……って、実はあんまり胸を張って語れる内容でもないんだけど。
結論から言うと、その先生とは半年ごとに行われるレッスンの契約更新までの付き合いだったわ。なぜって、英会話教室に行っているのに、お金払ってセックスだけして帰るなんて、そんなレッスンある? 確かに、これほど生きた英語を学べるレッスンもないんだけど、いつも帰り道で思うのは「お金払ってるのに、私、何やってるんだろう」っていう完全な徒労感よね……。
そういう思いに行き着くまでに、私も「今日はリビングじゃなくて、ちゃんと教室でレッスンを受けたいから!」とか、いろいろ抵抗はしてたんだけど、結局は元の木阿弥。ヤっちゃうのよ。私も心の底でそれを望んでたのかもしれないんだけど。ただ、そんな彼なら、もう付き合っちゃえばいいじゃんって思うじゃない? それが、なんとなくわかってきたのは、その先生には中学生ぐらいの子どもがいるということ。そして、奥さんとは、まだ書類上では成立していないんだけど、事実上の離婚状態だったのよ。さらに、もう1つ。そんな状況をいいことに、その先生は私以外の複数の女ともセックスをしてたってことだったの。
というのも、レッスン中はさすがになかったけど、プライベートで先生と会ってる時に、しょっちゅう女から電話がかかってきてたのよね。それを問いつめたら、先生、なんて言ったと思う? 「彼女も、とてもいい人なんだよ。しかもセックスだけの関係もOK。ボクも結婚したいわけじゃないし、あっちも一緒だからいいじゃん」って。それを聞いちゃった私は、なぜか彼を独り占めしたい気持ちになっちゃって、結構頑張っちゃった。ああ、それが間違いだった……。
彼ったら、聞いても聞いても、結婚もしたくないし、特定の人とも付き合いたくないって。そんな彼に対してのめり込むのってアホらしいじゃない。それに、これ以上、この人と一緒にいたら、私がダメになると思って、英会話教室も契約更新せずに、半年で辞めたのよね。先生とのセックスライフは3カ月ほどで終わったんだけど、これもいい勉強と思って、すっぱり別れたわ。
……と、思ってたはずだったんだけど、場面変わって、その数カ月後。
勤めてる会社の社長が、急に「みんな、随分やってないから健康診断を受けるように」と言い出しちゃって。会社負担で、社員が健康診断を受けることになったのよね。べつに、健康に自信がないわけじゃないから、素直に受けにいったんだけど、その結果があまりにも残酷……。
何も再検査を受けるべきところはなかったんだけど、唯一引っかかったのが、なんと性病! そう、性病にかかっちゃってたのよ! もう最悪。でも、すぐにピンと来たわ。あの先生だって。なぜなら、先生自身もいろんな女とセックスしまくってるわけだから、どっかからもらってきたに違いないのよ。ホント、自己嫌悪よね……。その病院からの帰り、私の手の中にあるのは性病の薬。ちなみに、その薬、副作用で太陽に当たると焼けたように肌が赤くなる薬だったから、余計に迷惑な話よ。
なぜなら、その後、ロケでロスに行ったんだけど、日差しはそんなに強くないからスタッフは誰一人焼けてないのに、私だけ肌が真っ赤になっちゃったんだから! 現地のコーディネーターの女の人には「レイコだけ真っ赤だよ。レイコは焼けやすいんだね!」って陽気に言われたけど、ユー・ノー? ディス・イズ・副作用!! 心の中では、もう苦笑いしかなかったわ……。
まあ、不幸中の幸いで、妊娠しなかったからよかったけど、そういえば、私がセイフティ・セックスを心がけるようになったのは、この事件があったからだったわ。そこから、自分の身は自分で守ることの大切さを学んだの。英会話教室に行って、一体何を学んでるんだって感じなんだけど、あれはホントにいい勉強。ちなみに、英語は相変わらず話せないけど、セックス中の言葉だけは覚えたわ。そういう辞書も買っちゃったし。やっぱり、生きた英語ってこういうことを言うのよね!
プラム麗子(ぷらむ・れいこ)
山形県出身、都内在住のカメラマン。年に数回、海外旅行に出掛けてはさまざまなブラックメンと親睦を深めている。アフリカ系からアジア系まで、褐色の肌であればより好みせずトライする、重度のブラックメンオンリー。