自意識過剰? 「1日2時間シャッターを切る」自撮りをやめられない女たち
■自撮りをFacebookにアップするのは自意識過剰?
――早見さんは、自撮り写真をFacebookにアップしているそうですが、藤井さん、菅谷さんは?
菅谷 Facebookには絶対上げられません! 私は他人から「調子こいてる」と思われたくないんです。
藤井 私も他人に「自意識過剰」と思われることに強い拒否感があるから、Facebookにアップは無理。自撮りしていることも他人に絶対知られたくない。むしろ「容姿なんて気にしてない人」と思われたいですよ。
早見 私はおしゃれが好きなんで、むしろ「容姿を気にかけてる人」と思われたいですね。知り合いに役者の女の子がいるんですけど、彼女は「自分がいいと思ったらいい」という価値観を持っていて、自分の写真もFacebookにどんどん押し出すんですよ。それで私も「他人からどう見えようと、自分が好きなことをすればいいんだ」と思うようになったんです。
――同じ「自撮り」でも、早見さんは今の自分を受け入れた上での自撮りなんですね。
早見 そうですね。子どもの頃はコンプレックスだらけだったけど、カーストを縦断して、今は自分としては完成形だと思っています。私の可愛さはアイコンになるなって思ったんですよ。だから、自撮りも公言できます。
菅谷 私、ずっとカースト上位の子に憧れていたから、そういうことができることがうらやましい。
早見 私もカースト下位だった小中学生の時は、そういう気持ちがあったけど、実際に派手な側に回ってみると面倒ですよ。私、素のままだと性格もキャピキャピしてるし、何事も一生懸命やるから、結構男性からモテてたんですよ。それによって勃発する女の戦いに、いかに巻き込まれないようにするかが今の悩み。恋愛に興味がないので、きれいを維持しつつ存在は地味なままで、自分の好きなことをしていたいんです。
菅谷 私はモテたいし、それで女の子たちから嫉妬もされたい。学校できれいな女の子同士の戦いに入れず、バカにされていたことのわだかまりが、ずっとあるんです。社会人となった今ではどうしようもないけど、アーティストとしての活動が波に乗ってきているので、もっと有名になって地位と名声を得て、私をバカにしていた人たちを見返してやりたい。でも、仕事だけじゃダメ。女性は仕事がそこそこできても容姿が悪かったら、「でも、ブスじゃん」の一言で終わっちゃうから。「美人アーティスト」と呼ばれるようになって、周りから「すげー」と言われたい。私の中の美人や可愛いの基準は、私じゃなくて他人が決めるものなんです。
藤井 確かに「でも、ブスじゃん」の殺傷力はすごいですよね(笑)。私も、女性はある程度の容姿がなければ、仕事も評価してもらえないと思っています。ただ、早見さんと菅谷さんほどには、見返してやりたいとか、そういうことは考えたことがないかもしれません。