カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「VERY」11月号

「完璧な家庭づくり」からドロップアウト、あの「VERY」が離婚を考えだした!

2013/10/24 21:30
「VERY」2013年11月号/光文社

 ここ数か月、お勉強モードに突き進み、社会問題や時事ネタが取り上げられていた「VERY」(光文社)。今月号は、なんと離婚の話題がちらほら見受けられます。

 今まで「VERY」は、「基盤がある女性は、強く、優しく、美しい」と主張してきました。この「基盤」とは、夫や子どものいる家庭のことを指し、中でもパートナーである夫を、最も重要な「基盤」と言ってきたはず。昨年、「第二のモテキ」という、一見不倫を匂わせるような特集もありましたが、その根底には「夫に愛されているからこそ、モテちゃう私」という大前提がしっかりとありました。ところが最近、夫の転職問題や、セックスレス、自身の働き方問題を取り上げる中で、ついに「VERY」が、「離婚も辞さないぞ」と言い出したというわけです。大転換期にある「VERY」を、早速チェックしてみましょう。

<トピック>
◎家族のコトバ
◎輝くための選択 増えています、起業離婚
◎“サッカーも野球もしたくない男の子”の育て方

■明るい離婚を猛プッシュ!?

 まず、離婚の話題が出てきたのは、連載ページ「家族のコトバ」です。このページは毎号、さまざまな女性の人生と、その中でかけられたコトバについてが、インタビュー記事で紹介されています。今号ですでに68回を数えるロング連載です。

 過去の連載を見直してみましたが、旦那さんと結婚後、事故で死別された方はいましたが、離婚したという人は私が見たところ出てきません。旦那さんとの幸せそうな2ショット写真掲載されることがほとんどという連載なのです。ところが今月号では、離婚した方が登場しています。

 離婚を決めるまでの決意や、それでも前向きに進んでいくことを表明するという流れは、
これまで「家族のコトバ」の企画趣旨と同じなのですが、やはり今回、離婚した女性がクローズアップされたことに、「VERY」の変化を感じてやみません。

 これまで「VERY」には「離婚の花道」なる連載も、10回程度ですがあることにはありました。ですが、離婚した女性は仮名で写真もなし。また、2011年11月号には「わたしが離婚したくなったとき。」というページもありましたが、後継ぎ問題、夫の育児放棄、姑問題、夫の浮気、セックスレスなどから離婚を“考えた”読者の事例が載っていただけ。離婚をしていない人の悩み相談に留まっていたのでした。

 このように「VERY」にとって離婚とは、どこか他人事というか、世間話として楽しむスパイスでしかない、という雰囲気を醸していました。

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