女の萌えをくすぐる「書店男子」が本屋を救う? “通いつめたい”書店とは
メガネ男子に草食男子、弁当男子、佐川男子……。これまでもさまざまな○○男子ブームが巻き起こってきたが、今度は実際に会いに行ける“書店男子”なるものが話題になっているようだ。
9月26日に『書店男子』(リブレ出版)という写真集が発売され、その発売記念で行われたスペシャルサイン会&握手会には、イケメン書店男子に会おうと、地方からも多くの女性が詰めかけた。さらに、『ズームイン!!サタデー』(日本テレビ系)、『ノンストップ』(フジテレビ系)といったテレビ番組でも特集されるなど、世間からも注目を集めている。Twitterでも、彼らを見た女性たちから「こんな素敵な男性がいる本屋近くにあったら毎日通う!!」「書店男子のうちださんに会いにいきたい」「そんな素晴らしい店員さんいたら毎日通い詰めて部屋を本だらけにするわ……」といったツイートが飛び交うほど。欲しい本があればネットで注文でき、ダウンロードすればいつでもどこでも読めてしまう時代。わざわざ書店に足を運び、紙の本を買う人は少なくなったが、それでも女性に「会いに行きたい」「通いたい」とまで言わせる書店男子とは、どんな人たちなのだろう。
■チラ見えする筋肉と、本への熱い思いのギャップ萌え?
まず、ネットでも「会いに行きたい!」という声が多数上がっているのは、アニメイト大阪日本橋店の内田裕也さん。黒縁眼鏡にネクタイ、白シャツ、エプロンというアイテムは、まさに書店員の知的で優しげな雰囲気を引き立たせる最強の組み合わせ。それに、一見細身に見えるが、書店員という仕事はかなりの重労働。それゆえ、シャツをまくった姿で本を持つ腕には、適度な筋肉が。そんな見た目とのギャップにも、ついつい見惚れてしまう。パッと見はクールそうだが、ニコニコと笑顔いっぱいで話すかわいらしさや「アニメイトの店員を極めたいです」「固定観念にとらわれず、前進していきたいです」と語る熱い言葉に胸が高鳴る女性も多いだろう。
また、書店男子というよりも書店紳士というべき男性も登場している。書店員歴35年、老舗書店である書泉グランデで働く近藤茂樹さんは、本に対する知識が半端ない。それだけでなく、「書店員として、気をつけていることはありますか?」という質問に「独りよがりにならないことです」と答える謙虚さも持ち合わせている。ただお勧めの本を読んでほしい、この本を売りたいと思うのではなく、「お客様が求めているものは何か」「支持していただけるお店になっているか」ということに常に気を使っているそう。「もともと本が好きなんです」と語る彼の本に対する強い愛は、本を扱う手つきからもわかるはず。老舗の書泉グランデが長年愛されているのは、本とお客さんを愛する近藤さんの存在が大きいのかもしれない。
そして、お客さんからの推薦だというあおい書店六本木店の椎橋信二さんは、お客さんの「パーソナルな部分(話し方や趣味など)に触れられた時に、やりがいを感じます」と語っている。働きながらもいつも新たな発見をし、「勉強になるな」と感じながらお客さんと接しているからこそ、イケメン書店男子に推薦されるほど愛される存在になれたのだろう。そんな彼に、「またのご来店、そして初めてご来店される方も、笑顔でお待ちしております」などと言われて、行かずにいられる人などいるのだろうか。同僚たちから「椎橋スマイル」と呼ばれる彼の笑顔を見るためだけに、あおい書店を訪れるお客さんが現れてもおかしくないかもしれない。
ほかにも、三省堂書店やTSUTAYA、ヴィレッジヴァンガードなど、さまざまな書店の書店男子たちが、真剣なまなざしで本を扱う姿や、大量の本を持ったときの腕の筋肉、本の陳列でひざまずく姿など、書店でしか見られないマニアックな姿を披露している。普段なかなか本を読まないという人でも、お気に入りのイケメン書店員が勧めてくれる本なら、会話の糸口に買ってしまうかもしれない。人々の書店離れが進み、次々と書店が潰れている今。その有効な対策方法は、イケメン書店員を採用することなのかもしれない。