「婦人公論」のテーマを無視して、独自すぎる人間関係の断捨離を語る江原啓之
ウナギに梅干し、天ぷらにスイカ……これらは昔から一緒に口にすると体に悪いと信じられてきた組み合わせです。今号の「婦人公論」(中央公論新社)、「<食の新常識>からだに良くないキケンな食べ合わせ」では、医学的に証明されたグッドカップル&バッドカップルが紹介されています。ええ? いつも一緒に食べてるアレとアレ、実はお互いの栄養を消し合う組み合わせだったの? など目からウロコの情報が満載ですよ。
さてさて、今号の特集は「人づきあいを上手に断捨離する」。「婦人公論」ではおなじみの人間関係の衣替えです。人と人の食べ合わせの悪さ、ありますよねぇ。意図的なのか偶然なのか、「出産したらお辞めなさい」で物議を醸した作家の曽野綾子と、前号で曽野をバッサリ斬り、今号では作家・川上未映子と対談している上野千鶴子が、別企画ながら目次に名前を連ねる今号の「婦人公論」。見るからにキケンな食べ合わせですが、本音を言えば、お2人の対談が見たかったです。猛毒が生成されるのを覚悟の上で……。
<トピックス>
◎江原啓之×やましたひでこ「過剰な関係を整理できない原因は、あなたのなかにある」
◎曽野綾子「人生後半に必要なのは、立ち止まり、諦めること」
◎ルポ 大人のいじめを断ち切った主婦たちの“悪縁切り札”
■弱った人をさらに追い込むスピリチュアル
「そろそろ、人生の後半に向けて、煩わしい“おつきあい”は整理して、ストレスのない、ご機嫌な毎日を送りたい。そう願ってはいても、義理にまみれたエンドレスな関係を断ち切るのは難しいものです。無駄な軋轢を生まずに、人間関係をすっきりさせるノウハウを提案します」というリードが今号の「人づきあいの断捨離」のテーマ。しかし、この「義理にまみれたエンドレスな関係」こそ「婦人公論」の永遠のオカズではないですか。口うるさい姑にソリの合わない小姑、面倒くさいご近所さん、ウワサ好きなパート仲間、言うこと聞かぬ子どもたち、そして永遠の仇である夫……捨てたくても捨てられない、「婦人公論」読者たちが長年モヤモヤを抱えてきたこれらの人づきあいを簡単にスッキリさせることなどできるのか。
この断捨離ブームの仕掛け人・やましたひでこは、江原啓之と「過剰な関係を整理できない原因は、あなたのなかにある」という対談をしています。江原いわく「私が断捨離に共感したのは、スピリチュアリズムの視点でみた『自律』の概念と近いと思ったから」だそうで、「自律できていれば、悩みの本質は相手ではなく、自分のなかにあるとわかるはず」と相変わらずの上から目線……いやスピリチュアル目線です。