「『半沢直樹』の人で終わる危険性も」作家・池井戸潤、深刻な“ネタ切れ”のうわさ
最終回視聴率が42.2%、今世紀最高のドラマ視聴率を獲得した『半沢直樹』(TBS系)。早くも2作目の制作や、映画化の情報も飛び交っているが、原作となった小説『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』(いずれも文藝春秋)の「半沢直樹シリーズ」著者・池井戸潤には、出版業界からため息が漏れているのだという。
池井戸は1998年作家デビュー、2010年発表の『下町ロケット』(小学館)で直木賞を受賞。さらに『半沢直樹』の大ヒットで、原作文庫版2冊が累計発行部数200万部を突破、続編の『ロスジェネの逆襲』(ダイヤモンド社)にも注目が集まるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いの作家といわれている。宣伝活動のためのメディア露出も増え、「池井戸氏を新時代の代表的作家に」との声も上がるほどだ。
ところが肝心の執筆活動について、出版関係者の間で悪いうわさが立っているのだという。
「『下町ロケット』で中小企業を、『半沢直樹シリーズ』で銀行を描いてブレークした池井戸ですが、あまりに作品を量産しているためか、書く内容にバリエーションがなくなってきました。新しく上げてくる作品のストーリーが、これまでに書いたものと似通っているんです。先日も、ある出版社が池井戸に連載のプロットをお願いしたところ、『下町ロケット』と瓜二つの内容が上がってきたため、編集者からダメ出しが出てしまったとか」(出版関係者)
続編に期待するファンと、それ以上の新しい作品を求める出版社。ヒット作には必ずつきまとうジレンマだ。
「ドラマ同様に、大ヒットしすぎた作品の続編が、一作目を超えることは非常に難しい。となれば、作家はまったく新しい次回作のためにしばし充電期間に入るか、商売のためと割りきって乱発的に量産を行うことになる。最近『ガリレオ』(文藝春秋)ばかりに比重をおく東野圭吾は、まさに後者でしょう。池井戸もここで方向性を考えないと、『半沢直樹』の人として、作家生命が終わってしまう危険性もあります」(同)
作品や名前が取り沙汰されている現在こそ、正念場というところか。ドラマの続編とともに、池井戸が今後もう一皮むけるかどうか、関係者の間でも注目されているようだ。