OLの男離れ? 男っ気なしの「steady.」で異彩を放つ、バカリズムの男目線
一般的に、女性は「話すことが好き」で、男性は「聞くことが苦手」といわれています。『話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く』(主婦の友社)なんて本が流行ったこともありましたが、いくら脳科学に基づかれたといっても、「性別だけで能力を決めつけるな」と批判が寄せられやすい議題であるはず。しかし、バカリズムさんの場合、男は女より話も上手で、聞くのも上手と言い切ってしまっているのです。
なぜこう言い切るに至ったかは割愛しますが、果たして、本当に男性は「話し上手」「聞き上手」なのでしょうか。バカリズムさんの言うところの「話し上手」とは、本人も出演されている『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)での話法のことを言うのではないかと思うのです。
理路整然と、オチに向けてピークを持っていくしゃべり方、あれをできる人を「話し上手」というのは、まあわかります。でも、あの話し方は、プロの芸人の話法です。普段、まったりしゃべる時に、あの話法が「いい話法」といわれたら困りますよね。男女の好む話法は違うので、一概に、これが上手、これが下手ってのはないんじゃないかなと意見したくなりました。
普段のバカリズムさんのコラムというのは、女性が読んでも頷くところが多かったんですが、今回は「話し方」というテーマということで、芸人視点が大きく出てしまったのかもしれません。果たして、「steady.」読者は、このコラムをどう読むのでしょうか。私たち、話も理路整然としてないし、聞くのも下手だし、頑張って上手にならないと! とポジティブかつ、ぼんやりと思うのでしょうか。しかし、男性目線の少なかった今月の「steady.」の中で、唯一「男目線」が発揮されている、精彩を放ったコラムではありました。
(芦沢芳子)