カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「I LOVE mama」10月号

「I LOVE mama」の良妻賢母企画に見える、世間からの偏見と闘う孤独な姿

2013/09/15 16:00

 「秋のお出掛け弁当レシピ」では、キャラ弁レシピを紹介しているのですが、はんぺんを2ミリ角に切る、輪切りにしたオクラの穴にぶぶあられをピンセットで1粒1粒入れる、かにかまを1本ずつ割いて模様を作る……といった本格派。某キャラのそばかすは、極小に切ったのりをピンセットで貼付けるのですが、「息を止めて集中!」と書かれていました。弁当作りで「息を止めて」って……これは修行ですか。オバサンだったら、「こんなんやってられっか!」とテキトーに流すところですが、ピュアなラブママはネイルやデコ電のノリでまじめに取り組んでしまいそう。走り出したら止まんねぇんです。若気の至りです。

■そして高収入でも倹約命!

 「みんなのお金事情、聞き込み大調査」では、円グラフをズラーッと並べて、読者のお金にまつわるアンケートの結果を発表しています。世帯収入は平均420万円。最も回答数が多かったのは501万円以上で36.7%。読者のほとんどが20代ということを考えるとかなり高収入です。1都3県のローン返済額は平均8万8,000円。月々の保険料は、平均4万666円。1カ月のファッション費は平均1万2,166円、美容代は1万250円。しまむらやドラッグストア、100均を利用してうまくやりくりしているわけです。想像を上回る生活水準の高さと堅実さ。今後は「ラブママ先輩」と呼ばせていただきたいです。

 そのほか、ネットオークションからせどり販売までを紹介する「専業主婦が月20,000円稼ぐ方法!!」、保活カレンダーを掲載している「4月入園を目指すママに贈る、保育園入園への道」と、賢母の鏡というくらい全方位的に一分の隙なく圧倒的なデータ量で誌面が埋まっています。「どうせ若いママは……」という世間の目と闘う「I LOVE mama」の気迫を感じます。意識が高いことは決して悪いことではありません。しかし、いくらなんでも今月号は読者に負荷をかけすぎではないでしょうか。若いママは確かに未熟な面もあるかもしれないけれど、彼女たちだけが成長すればいいわけではないはず。「どうせ若いママは……」なんて言っていないで、未熟なママを温かく見守って、時に手を差し伸べてあげられるように“世間”も一緒に成長すべきなんですよね、理想論としては。

 一人前のママになるための受験参考書と化した「I LOVE mama」。確かに普通の受験は孤独な戦いかもしれませんが、子育てはママ1人の戦いにしてはなりません。ましてや世間が合否のジャッジをするものでもありません。私たち大人はその点を忘れてはならないと「I LOVE mama」を読んで思いました。
(亀井百合子)

最終更新:2013/09/15 16:00
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