カルチャー
[不定期連載]同じアホなら、見るだけで。
コミケなんて目じゃない! 秋田県大曲「全国花火競技大会」の混乱と発狂
2013/09/14 16:00
しかし、大曲の花火の底力はこれからだ。何しろ大会が終了すると(一部ツアー客は途中退場するにしても)、80万人が一斉に帰路に就くのである。使用した桟敷席の後片付けをして出口に向かうも、ピタリとも動けない。
階段を上る人々を眺めつつ、この場で30分立ちんぼ
「どうして向こう側ばかり誘導するの?」「階段は空いてるじゃないの!」と、人の采配にひたすら文句を言い続けるおばさん。こういうのを毎日聞かされる旦那は大変である。お前に一番イライラするから黙っててくれ。
ようやく駅にたどり着くも、来ない列車を待つ長蛇の列
よろよろになって盛岡に到着し、駅前でタクシーを拾おうとしたら、順番そっちのけで割り込み乗車する人たちがいっぱい。日本人の美徳とやらはどこへ行った。
もう、始まりから終わりまで、人の我欲に充ち満ちたイベントだ。こんなたいそうな思いをするなら、家でのんびりテレビで見た方が賢いんじゃない? いや待てしばし、そんなことはない! っていうのが、この花火競技大会のすごいところなのだ。来年も都合がついたら行きたいよ。嗚呼これぞ大曲マジック。
和久井香菜子(わくい・かなこ)
ライター・イラストレーター、少女漫画研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。ネットゲーム『養殖中華屋さん』の企画をはじめ、語学テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。街で見かけたおかしな英文から英語を学ぶ「Henglish」主宰。
最終更新:2013/09/14 16:00