一体どこに行きたい? 小説家デビューした押切もえの「結局のところ」
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎手作り弁当に見えた深層心理
ゲストの女性タレントたちが、手作り弁当を披露していた『キャサリン三世』(フジテレビ系)にて、ものすごいハイレベルの弁当を持って来た押切もえ。小説も書いちゃったりしてねぇ。この人は一体何やりたいんだろう、どこ行きたいんだろう。って考えてみたけど、結局のところ「ステキなお嫁さん」なんじゃあないだろうかって気がした。一周回って。
それはいいのだが、この弁当を食べるゲスト男性陣の1人に坂上忍がいたのである。ええー。ラップで包まれたおにぎり食べてた。ええー。「他人(プロは除く)の作った弁当が食べられるかどうか」って、潔癖症のイロハのイみたいなもんで、これができるならそこまで潔癖症じゃないと思うのだが。ちなみに、私は潔癖症じゃないけど、人の握ったおにぎりは食べられないぞ。ラップに包まれたおにぎりに嬉々としてかぶりつく坂上忍。なんだ、ビジネス潔癖症か。東MAXの方がリアルに深刻そうな。
◎スッキリした良改名の訳
やれ磯野貴理だの、モンキッキー。だの、相原勇→YASUKO→相原勇だの。どうでもいいを通り越して、聞くたびにそのひとりよがりっぷりにイライラさせられる「芸能人の改名」であるが。このたびの「内野聖陽、下の名前の読み方を『せいよう』に」というのは、非常に合理的でスッキリしたものであった。「芸能人の改名」で、こんなに本人も周りも合点が行くものは、後にも先にも多分これっきりと思われる。つーか、今までずっと「せいよう」なんだと思ってた。とにかく正解!
◎終活ブームに思うコト
「終活」ブームで、それまで気にしたこともない「自分が死んだ後のこと」を考える機会&人が増えている。今までは「お通夜やってお葬式やって墓に入る」という、ボンヤリしたイメージしかなかったのが、いろんなことを「好き」にやれるように。もちろん「ド派手にやってほしい」というベクトルもあるのだろうが、ほとんどの人が「ムダなことはしなくていい」の方向に動く気がする。
しかし……。藤圭子の最期見てたら、何かなぁ。「葬儀はしなくていい」をその通り実行した結果、亡くなり方もああだっただけに、なんかものすごく、人生そのものがぞんざいに扱われてしまった印象が。「葬儀するな」「喪服も着るな」「人も呼ぶな」って、そりゃ本人の自由だけどさ。遺族が人から「ええッ?」って変な目で見られない「最低限の葬儀」って、やっぱ必要だな、としみじみ。
遺された家族への嫌がらせになるような、偏屈な「終活」はよくないな。釘をさしてもらった。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。