カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「DRESS」10月号

あの「DRESS」がまともなアラフォー恋愛論!? 「理性を保って落ち着いた恋を」

2013/09/05 16:30
「DRESS」2013年10月号/幻冬舎

 創刊当時は、「週末にホームパーティ」だの「韓国へサウナ」だのと、セレブ感満載だった「DRESS」(幻冬舎)ですが、今月号はだいぶ落ち着いて、とんがった感がなくなっていました。すっとんきょうな回答が見ものだった佐野元春さんの悩み相談連載も、先月同様、穏やかなバルセロナの湖のようです。それはそれで淋しいですね。

<トピックス>
◎折れないハートの女になる方法
◎もしも米倉涼子が、中間管理職だったら?
◎40歳からの恋が、本当はいちばん豊かで楽しい!

■全体的に元気がなくなってしまった「DRESS」

 今まで、リゾートでくつろぐ前に全身黒塗りにしようとか、いい年して稼いでもいるのに、今さらシェアハウスに住もうとか、割とむちゃぶりが激しかった「DRESS」。しかし今月号は、スポーツが趣味である4名の女性を取り上げ「スポーツはいいですよ、精神も鍛えられるし」と訴えるという、かなりおとなしめの企画が掲載されていました。それも、クロスフィット、ボクシング、トライアスロン、座禅と、種目がこれまた割と通常モード。DRESSな女たちなら、ここはヨットとかフィギュアスケートとか、「周りにいねえな、そんな人」という種目を押し出してほしかったです、それこそ「DRESS」クオリティ。

 それに加えて今月号では、「40歳からの恋が、本当はいちばん豊かで楽しい!」と、「DRESS」の“女の内閣”恋愛担当相・北川悦吏子さんから提言が。先月号の「妊活特集」で、あらためてアラフォーの現実を押しつけられてうんざりしていたところですが、ここでも穏やかな方向にスイッチしてますね。そうそう、アラフォーとは、結婚や妊娠といった「若いうちに我こそが手に入れないといけない」というような「女としての価値競走」みたいなことから逃れられる年齢なんです。だからこそ、純粋に恋愛が楽しめるというわけです。当初から、そういうスタンスを提唱していたはずの「DRESS」に、やはり話題優先の妊活話なんかいりませんでしたよ。この恋愛企画の内容も、「理性を保って落ち着いた恋をしよう」「相手を冷静に選ぼう」など、背伸びした感じがなく、作り込んだドラマの世界でもなく、枠にきちんと収まったアラフォーの恋愛が語られていました。

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