『スッキリ!!』天の声を完コピしたホリの登場で、危ぶまれる南キャン・山里
今回ツッコませていただくのは、柳原可奈子欠席で、別の人物が「天の声」を務めた8月29日放送分『スッキリ!!』(日本テレビ系)。
「おっはよ~ございま~す」
聞きなれた挨拶は、柳原と曜日がわりに「天の声」を務める南海キャンディーズ・山里亮太の声……だと思った。
ところが、山里は、スタジオにいる。ゲストで登場したKAT-TUN・亀梨和也も「あれ? 山ちゃんじゃないんですか??」と戸惑いを見せていた。実はこれ、柳原のピンチヒッターで登場したモノマネタレントのホリだったのだが、声だけの出演になると、山里との違いがまったくわからない! 声や喋り方だけでなく、話す内容・リアクションまでも、本当に山里ソックリ。これじゃ、ホンモノの山里が不要になってしまうではないか。
そもそも山里が「天の声」として登場した際、「考えたな」と思ったものだ。山里は独自の言語センスを持っており、語彙が豊富で機転が利き、切り返しも早い。でも、醸し出す雰囲気が、どうもお茶の間で愛されるキャラじゃないことと、「極度の人見知り」であることから、その能力がテレビで十分には発揮できないような気がしていた。
だが、「天の声」として声だけ出演する山里は、実に自由に、のびのびと喋りの力を出している。にもかかわらず、それを別人のホリが「喋り」「芸風」「発想」まるごとコピーしてしまうとは。
しかも、ホリの場合は、山里以外の人にもなれるのだから、始末が悪い。VTRを紹介するたびに、出川哲朗になったり、テリーになったり、絶妙なタイミングで腹立たしい感じの「えなりかずき」を出してきたりと、自由自在だ。
「普段より面白くなっちゃう……」と、スタジオの山里は何度も苦笑し、テリー伊藤も「もう山ちゃん、いらないね」などと冗談を言っていたが、このスタイルを導入すると、いらなくなってしまうのは、山里ばかりじゃないだろう。
現に、テリーもホリはそっくりにやれていたわけだし、なんなら日頃は原口あきまさがやっている加藤浩次だって、できるんじゃないだろうか。となると、必要なのは、「番宣で出てくるタレント」VTRのみになってしまう。
加藤やテリー、山里などのアップの顔と、スタジオ全体の引きなど、何パターンかのイラストを用意しておけば、『ZIP!』(同)の「おはよう忍者隊ガッチャマン」「マジンガーZIP!」みたいな感じで、オールイラスト+声のみ出演(しかも、全員、誰かを演じるホリ!)という番組だって作れそうだ。
低コストなのに、誰でも呼べる、何でもできる情報番組。ピンチヒッターから意外な可能性が見えてしまった気がする。
(田幸和歌子)