カルチャー
プラム麗子のブラック恋愛道「BLACK MEN ONLY」vol.13

ブラックガイの店員と仲良くなったら、いきなり「ホテル行こう」って正気?

2013/09/22 19:00
Photo by Reiko.Plum

 皆さん、この夏はいかがだったかしら? 私はといえば、タクシーを飛ばしてアメリカ軍の座間基地で開催されたお祭りへ。目的? そんなの決まってるじゃない。ブラックハンティングよ! 最近、ブラック切れしてたから、あらためてブラックの良さを確認できたわ~。しかも、次の日にはセールでゲットした『アーノルド坊やは人気者』のDVDが届いて、テンション上がりまくり。やっぱりアーノルドみたいな子を産む!!

 さて、そんな近況は置いといて。今回は、以前このコラム内で紹介した店員がALLブラックガイの、ある焼肉屋のボーイについて語ろうと思っているの。当時、私はそんな夢のようなお店を見つけたもんだから、かなり入り浸ってたのよね。お気に入りの子もいたし……フフフ。だから、ある程度の店員とは顔見知りにもなったし、仲良くもしてたんだけど、私と同じマンションに住んでいるある男の子だけは、なぜかなかなか仲良くなれなかった……。なぜ同じマンションなのを知ってるのかって? だって、マンション付近でちょこちょこ顔を見かけるんだから、自然とわかっちゃったのよね。

 というわけで、その男の子とはお店以外でもよく顔を合わせてたんだけど、なぜかフレンドリーさはまったくナシ。どういうわけか、いつもよそよそしいのよ。そんなことが続いたもんだから、堪りかねた私は、お店に行ったある日、聞いてみたの。「私のこと知ってるよね? なんで知ってるのに、そんなによそよそしいの?」って。そしたら、どうやら単なる人見知りって感じだったみたいで、その会話をきっかけにやっと仲良くなって、「ボク、20~30メートル先のマンションに引っ越したんだ」「あ、そうなの?」みたいなフランクな会話までできるようになった。だから、やっと喉のつかえが取れたような気持ちになったんだけど、そこから想像もしない出来事が……!

■アンタとセックスはノーセンキュー!

 あ、そうそう、その事件の前に、私はその男の子と会うたびに、あるお願いをしてたのよね。というのも、その焼肉屋のお気に入りの男の子とどうしてもデートがしたかったから、彼につないでもらおうと思ってたの。その男の子、枝豆の持ってき方が可愛いのよ~! 両手で「どうぞ!」な~んて。可愛いわあ~。だから彼に会うたびに、「あの子とデートしたいからつないで」ってお願いをしていたところなのよ。ちなみに、その子は北千住に住んでるから(独自調査)、私の家からは遠いんだよね~。

 まあ、そんなお願いをしていたにもかかわらず……って感じなんだけど、ある日の夜、私が飲みに出かけようとした時に、ちょうどマンション付近で彼と会ったから「これから飲みに行くんだよね」って話しかけて。そしたら彼、「じゃあ、それが終わったら飲みに行こうよ」だって。別に断る理由もないからOKしちゃった私。前の飲み会が明け方4時ぐらいに終わったから、「こっちは終わったよ。どうする?」って電話したのよね。そしたら彼、お店が終わるのは5時ぐらいで、レジを締めたりしてると6時ぐらいになるって言うの。でも、飲んだ後に2時間待つのって結構つらいじゃない? そう言ったら、彼は「じゃあ、今から抜け出すから、レイコの家に行ってもいい? おうちが見てみたいんだ」って。……なにそれ。はあ!? って感じじゃない?

 だって、私の家に来たいと思ってるなんてまったく想像してなかったし、しかも仕事が終わってないのに抜け出すっていうのよ? 信じられない! レジのお金が盗まれたらどうするのよ!! でも彼はとにかく「おうち、見たいなあ」の繰り返し。ただ、よく考えたら彼だって同じマンションに住んでたんだから、造りは一緒よね。だから「そんなの、造りは一緒か、反転してるだけだよ」って説明したわ。それに、家に来られるのはイヤだったから「じゃあ、アンタん家でいいじゃん」って言ったら、すんなり「あ、それでもいいよ、OK!」って。これは怪しい……。

 そう思って、「やっぱヤダ。なんかされそうな気がするから」っていうやりとりを繰り返してたんだけど、最終的に彼から出た言葉は「ホテル行こう」ってことだったのよ! やっぱやりたいだけじゃん!! 「お気に入りの子にデートの件、伝えて」ってさんざんお願いしてたのに、なんで私がアンタとホテルに行くことになるわけ!? それに、今までずーっとよそよそしい態度をとってきて、こっちが優しく話しかけた途端にコレよ。もう、まったく距離感がつかめないわ!

 そんなことがあったせいで、その焼肉屋にはもう行けないわよね。だって、どんな顔して会ったらいいのかわからないでしょ? でも、そのおかげでこっちは飲み屋難民になっちゃったんだから、いい迷惑よ!

 ただ最近、ある知り合いの編集者から久々にその店の情報が入ってきたんだけど、私をホテルに誘ったその“距離感欠落野郎”は、どうやら同じ国の娘と結婚したみたい。それを聞いて、余計にあの日の出来事が意味不明なんだけど……、まあ結婚してくれてよかったわ。これでまたあの店に行けるんだもの。でも、もし彼に会ったら、どんな嫌味を言ってやろうかしら。彼の弱みを握っている私の最終要求は……、やっぱりあのお気に入りの男の子とのデートだわ!

プラム麗子(ぷらむ・れいこ)
山形県出身、都内在住のカメラマン。年に数回、海外旅行に出掛けてはさまざまなブラックメンと親睦を深めている。アフリカ系からアジア系まで、褐色の肌であればより好みせずトライする、重度のブラックメンオンリー。

最終更新:2019/05/24 17:08
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