ギャグを要求され続けたCOWCOW、死屍累々の『徹子の部屋』出演
「一番いいのを引いていただいて」
と、多田もうれしそう。いい流れを維持したいところだが、次は「う」。
「うーらーがーわー」
とやったところで、徹子が
「アナタがそこにお立ちになるとね、アタシを照らしてるライトを切るんでね」
と、ギャグの感想ではなく、多田が徹子専用照明を遮っていると、冷静に説明される。流れは来ない。トークがしばらく続いた後で、
「じゃ、この辺でちょっと何かやっていただけます?」
今度は山田がネタをやる。田中邦衛のモノマネで、「アップル」「ボブ」「ジューン!」と、『北の国から』(フジテレビ系)の息子役・純を呼ぶ田中邦衛のマネをする芸。これも鉄板ネタだが、
「そういうアレなんですか?」
「『北の国から』に出てくる純です……」(多田)
「よく似ていらっしゃる」とは言ってくれてはいるが、やはりちょっと微妙っぽい。続いて、「January」から月の名前を順に言っていき、6月まできたところで、「ジューーン!」。徹子は、
「アハハ、そこでそうしたいわけね! 『ジューン!』」
パチパチと手を叩いてくれるが、山田も微妙か。「じゃこの辺で悪いけど、1つやっていただけますか?」と、さらにギャグを要求、再び多田の50音ギャグに。お題は「た」。
「タンスにゴン」
「……ありがとうございました。ちょっとコマーシャルです」
『徹子の部屋』に出演した芸人の中でも、かなりダメな方の上位じゃないだろうか。そして終盤にも、「最後になんか、面白いのお願いできますか?」と、とにかく何度もネタをやらせる。再び山田の邦衛フリップ芸。
「2×5=ジューン!」
「アッハハ……。なんでも『ジュン』にしたいわけね」
徹子の冷静な説明。さらに、「もっとあるの?」と、とどめを刺しにかかる。山田はやっぱり、「5×2=ジューン」。徹子、「うん……面白いと思う」。
「ペ・ヨンジューーン」
「んーーフフフ、そうね。そうかなってちょっと思ったんですけど。でも面白いと思う」
「面白いと思う」と、何かを確認するように、何度も言う徹子。
「まつジューン!」
「ずいぶんみなさんウケてますよ。よかったですねえ」
もうタオルを投入してほしくなるが、徹子はまだ手を緩めてはくれない。
「もう終わりですか? まだあるんだったらお願いします」
三たび多田の50音ギャグ。「あ」が出た。
「♪亜麻色の長い髪を 邪魔やか~ら引きちぎるぅ~」
「……」
ヘンな空気になったところでエンディング曲が流れ始める。
「あっ、ちょうど!」
ちょうどって、徹子さん。
「COWCOWのお2人には今日は面白いことやっていただきましたんですけど。ちょうど時間がいっぱいになってまいりましたので」
今回のような流れの場合、なんとか空気を変えようと慌てて、余計に泥沼にハマったり、見るからにボロボロになる芸人が多いものの、そうはならないCOWCOWの2人。これは、やっぱり性格なんだろうか。徹子も、
「でも本当に、いいお人柄だってことはよくわかりました」
と、そこに注目していた。「カワイイわね」と言っていたり、人物は気に入られたようで。よかったよかった。
(太田サトル)