サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「しんどい母」の葛藤をえぐる「VERY」 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「VERY」10月号 「しんどい母」の立場から、娘を褒められないママの葛藤をえぐる「VERY」 2013/09/28 16:00 女性誌速攻レビューVERY ■「VERY」妻は体がいくつあっても足らない? もう1つ、読み物ページで目を引いたのは、「私たちの『トークレス』問題!」です。サブタイトルに、「セックスレスはともかく……仲はいいのに、会話がない」とあります。正直、会話がないなんて、仲がいいというのも疑わしくなってしまいます。 この特集では、会話のプロや「聴く講座」の講師、心のケアの専門家にインタビューをしているんですが、ちょっとした疑問も。「女性は一方的にしゃべり、対話でなくスピーチになっており」「女性は最初から全過程を話そうとする」「相手が話しやすい態度を心がけること」など、夫婦の会話をテーマにしているのに、女性側が配慮すべき事柄ばかり書かれているんです! もちろん、「VERY」は女性誌ですから、女性側の改善法が紹介されているのは当然なんですが……なんとなく、「男性の理路整然とした話し方こそが正しい」「男性は理路整然としていない話は聞けない」と言われているような気になってしまいました。男性の話し方が正しくて不動であるから、女性が合わせていくしかないとも取れる内容でした。 実際問題、男性に「ここをこうして」とお願いするより、女性が男性に配慮した方がうまくいきやすいし、結果的に面倒臭くないことは往々にしてあることですが、なんだか胸がモヤモヤしてしまいました。 今月号はほかにも「夫の転職、狂想曲」という記事もありました。経済力のある夫を持つであろう「VERY」読者にとっても、夫の転職や失業は他人事ではないんですね。経済的な心配はもちろんのこと、周囲の目線を気にしたり、夫を気遣ったり、なのにそれが裏目に出たりと、夫の転職、失業においても、妻の気苦労は絶えないようです。 先ほど「VERY」のような結婚をしたいならば、体力が必要と書きました。しかし「VERY」妻には、家庭内トークレスを防いだり、夫の転職・失業による経済問題への対策、夫の心のケアまでしなければならないようです。憧れだけでは務まるものではなさそうですね。 (芦沢芳子) 前のページ123 最終更新:2013/09/28 16:00 Amazon 『VERY (ヴェリィ) 2013年 10月号 [雑誌]』 「私は私、娘は娘」をできる母の方が少数な気も 関連記事 女として優れていたい――「VERY」の主張を脅かす、ワーキングママという現実夫に期待せず、自らの努力でイライラ解消! 「VERY」の息苦しいポジティブさ「妻だけED」夫に対し、妻も浮気告白! 「VERY」の幸せな主婦像が崩壊へ内田樹と高橋源一郎が「VERY」を憂う! おじさんたちから見た女性誌「学校行事の主役は自分」と大失言! 「VERY」看板モデルがぶっちゃけすぎ! 次の記事 この秋は“昭和的”女子力アップ! >