「しんどい母」の立場から、娘を褒められないママの葛藤をえぐる「VERY」
今月の「VERY」(光文社)はファッション関連の広告ページが多く、ずっしり重いです。どれが編集記事でどれが広告記事かもわかりにくい状態なのですが、こうした「広告を広告と読者に見抜かせない」誌面づくりをしているからこそ、たくさんの広告が入るんだろうなと、裏方目線で見てしまいました。
「VERY」は、読み物ページも充実しています。以前の「VERY」では、セックスレスを男目線から語る「妻だけED」企画や、木嶋佳苗に焦点を当てた企画など、女の黒い好奇心をくすぐる読み物も多かったのですが、最近ではワーキングマザーの特集を組むなど、やたら現実を直視させるような真面目な企画が増えてきた印象です。さて、今月はどうなのでしょう? 早速読んでいきましょう。
<トピック>
◎VERYモデルは秋もハンサム&パワフル
◎女の子ママの“褒められない”症候群
◎私たちの「トークレス」問題!
■「1日に5回も6回着替え」ってマジ?
カジュアルでボーイッシュなアイテムが流行っている今秋。「VERY」の特集も、「VERYモデルは秋もハンサム&パワフル」というタイトルです。
この特集の冒頭では、「VERY」モデルたちが、変顔を披露しています。そして、次のページでも、お子さんを後ろに乗せて自転車を漕いだり、トライアスロンに挑戦したりと、ファッションのトレンドとは関係のない精神面での「ハンサム&パワフル」をそれぞれアピール。特に目を引いたのは、クリス‐ウェブ佳子さんでしょうか。「ビジネス、政治、世界情勢など国内外のトピックスを把握しておくことは大人としてのマナー」と語り、日々、グローバル視点を養うためにネットや雑誌のチェックを怠らないとのことです。
看板モデルの滝沢眞規子さんも負けてはいません。なんと、1日に5回も6回も着替えて娘さんや息子さんのお迎えに出向いているんだとか。もちろんこれは、「私はいっぱい服持ってるんだぞ」アピールではありません。「着替えてオシャレしようというわけではないんですが用事が多岐にわたっているので、用途に合わせようと思うと日に何回か着替えることになります」とのこと。そんなこんなで、滝沢さんは、毎日忙しくてヘトヘトなのだそうですが、「もっと体力をつけるべく、水泳にしっかり通いたい」と意気込みを語っていました。
そんな「ハンサム&パワフル」な「VERY」モデルを見て思ったのは、「VERY」のような結婚がしたいなら、磨くべきは「女子力」よりも「体力」の方だということです。「VERY」を読む女性の旦那さんは、トライアスロンや本格的なキャンプなどを趣味にしていたり、知的な人も多そうなので、それに付き合わされるとなると大変そうです。子育て、家事、仕事に加えてとなると、体力がいくらあっても足りないのでは。想像するだけでしんどくなってしまいましたが、今まで「夫の三歩後ろをついてく妻像」を掲げてきた「VERY」とは一風変わった特集であったのは確かです。今後は「夫と一緒に歩む妻像」が押し出されていくのかもしれませんね。