「占い師」を蒼井優の“はとこ”として担ぎ出す、懲りない女性週刊誌
今週発売の「AERA」(朝日新聞出版)で、オリバー・ストーン監督が日本政治とメディアを痛烈に批判している。ストーンは原水爆禁止世界大会で「ただ一人の政治家も、ただ一人の総理大臣も、平和と道徳的な正しさを代表したところを見たことがない」「日本はアメリカの属国」などと批判スピーチを行ったが、これを日本メディアは抹殺したというものだ。まさに日本に内包する多くの問題を指摘する正鵠を射た発言である。先の大戦で、日本はその責任を曖昧にした。そのため日本は戦後から脱却できずにいる。その挙げ句が原発事故だ。オリバー・ストーン記事を読んで、そんな思いに駆られた。
1位「“辛口”スゴ腕手相占い師は“蒼井優”のはとこ!! 蒼井みう」(「女性自身」9月3日号)
2位「能年玲奈 深夜0時、涙で絶叫――『あまちゃん2』を作ってください!」(「女性自身」9月3日号)
参照「『あまちゃん』 能年&小泉“母娘”デュエット熱唱打ち上げ撮」(「週刊女性」9月3日号)
3位「バカか? 飲食店・コンビニアルバイトたちの“悪質いたずら画像”発信に、苦しむ外食企業の意外な嘆き」(「週刊女性」9月3日号)
※「女性セブン」が合併号のためお休み
出ました!! 新たな占いスターを「自身」が発見!?
「自身」によれば口コミで話題になり、予約殺到中の凄腕占い名人がいるという。それが蒼井みうセンセイ27歳だ。“先生”という肩書きは「自身」が書いたものだから、それに倣わせてもらうが、このセンセイ、縁結びや恋愛についてスゴく当たると評判らしい。センセイが経営するカフェバーで、センセイが滞在している時のみ無料で手相鑑定をしてもらえ、2年間で20組以上の縁を結び、30人以上の片思いを解消した。
その方法は、マジックとアイスピックで手相を書き換えるというもの。バイオレンスだ。実際「自身」記者が手相を占ってもらっているが、アイスピックで手相をガリガリと削り、書き換える様は、マジで痛そう。美人はサディスティックでもある。しかも当たるだけでなく辛口だということでも人気を相しているという。美人でサドで辛口――。いかにも女性週刊誌が飛びつきそうな占い師の登場である。
しかもこの蒼井センセイのプロフィールを見るとタダモノではない。お嬢様学校を卒業後、2008年にはミスユニバースのトップ20に選出され、そのナイスバディを生かし、ファッション誌で読者モデルとして、また執筆活動もするという人物だというのだ。誌面にはセンセイの写真も大きく掲載されているが、かなり美人さんでありお嬢様風でもある。さらに、さらに。ここが肝心要の肝であるのだが、必殺のアピール・ポイントまで存在するのだ。それが、みうセンセイが女優の蒼井優の“はとこ”だということ。何でも蒼井優とセンセイの父親同士が従兄弟同士で、よって2人は“はとこ”の関係なのだ。ちょっと遠いが親戚である。なるほど、これまた輪を掛けて女性週刊誌が飛びつく格好のネタであり人物像である。
みうセンセイ、これまで「大々的な宣伝はせず」「無料」などというが、蒼井優の“はとこ”というのを使って、今後は大々的に展開するつもりなのだろう。「自身」もそれに乗ってセンセイを“恋のキャスティング・ディレクター”などと命名し持ち上げている。そのうち「自身」でみうセンセイの連載も始まったりして。
それにしてもよくもまあ飽きもせず、そして懲りずにこうした人物を次々見つけてきては、持ち上げるものである。オウム事件や元オセロ中島知子問題では、散々オカルトや占い師、霊能師やらを批判しながら、一方でこうした占い師や江原啓之などを賞賛し、持ち上げる。そして開運などといったPR広告を堂々と掲載する。アホらしい。そんなことを相談したいなら、信頼できる友人や家族にした方がよっぽど的確だと思う。だが人間の心の弱味に付け入る商法は次々と現れ、またそれにハマまる人も後を絶たない。これもまたコミュニケーション不全の現在病なのか。
NHK朝ドラ『あまちゃん』の撮影終了打ち上げの模様が「自身」「週女」ともに記事になっている。ってもう撮影が終了してしまったか! と、悲しい感慨ひとしおである。女性誌恒例の「話題番組打ち上げ」ネタではあるが、やはり「あまちゃん」の話題性もある。2誌の「打ち上げ」記事を比較検討してみたい。