「アラフォーの出産はいいことずくめ」、「DRESS」が押し付ける救いなき妊娠出産論
表紙モデルの米倉涼子さんが恐ろしい形相でこちらを睨みつけている「DRESS」9月号(幻冬舎)、みなさんはもうお読みになりましたか? あのメイクと表情がファッション誌として美しいというのであれば、ちょっと自分の美意識と恐怖心を矯正しなければいけないな、と思いました。
<トピック>
◎米倉涼子「色のある女」になる
◎教えて宋先生! アラフォー世代の妊娠問題
◎脱「女子」宣言! 私たち「オヤジョ」ですが、何か?
■妊活の結果、得られるものは?
今号の企画「教えて宋先生! アラフォー世代の妊娠問題」では、読者からの「生理の周期が短くなってきているが妊娠しにくくなっているのか」「40歳以上で出産する場合、障がい児の確率はどれくらいか」といったリアルな悩みや質問に宋美玄先生が答えています。
これは、WEB版の「DRESS」で大評判だという宋先生のコラム「アラフォー・ボディは女の証明」を受けての特集記事。WEBコラムでは「高齢出産、そのリスクとは?」「ぶっちゃけた話、何歳まで妊娠できるの?」といった、アラフォーの「オンナとしての価値」にまつわる悩みに対し、宋先生がずばずばと語ってくれています。女の体と年齢についてニュートラルに語っていて、時には厳しい意見も見られます。それが現実だからです。読者の興味を引く人気コラムならばと、特集を組むのは自然な流れかもしれませんが、本誌企画は、どうにも、「うーむ」と首をひねらざるを得ませんでした。なぜならWEBコラムとは違い、本誌企画にはアラフォーの妊娠・出産にかなりポジティブにものを言っている印象だったからです。
これには、コラムと雑誌企画の作り方の違いが影響しています。コラムの場合、基本的な企画や大きなくくりは編集の手が入っているとは思いますが、恐らく文章の構成にまで手を入れられることはまずありません。しかし、雑誌の企画となると、編集部の意向が優先されるため、同じ情報を提供したとしても、補正や構成、情報の見え方がまったく異なってくるのです。