CHANELからダイソーまで、「I LOVE mama」の検証企画がガチですごい!
ここまで正直にレビューできるのは、ダイソーから広告費をもらっていたり商品提供を受けたりしていないから。なにかしら関係があると評価が甘くなってしまいがちですが、この企画は「編集部が自腹買いして調査」としっかり銘打ってある。だからガチ。しかし、よく考えたら、68点すべて自腹買いしてもたったの7,140円なんですよね。前述のCHANELのアイシャドウ1点7,245円よりも安い……。世の女性誌はCHANELのアイシャドウに対して、ここまでの熱意をもってレビューしたことがあるのかっ!? 広告主様のリリースをリライトしているだけではないのかっ! と問いつめたい気持ちになりました。ラブママはいつもちゃんと読者の方を向いていている。本当に素晴らしいことだと思います。
■「ピロリ菌ってちょっとカワイイ名前だけど……」と啓蒙企画
今月号は育児企画の情報密度も高い。「ベビの離乳食、食べて良いものまるわかり表」では、食材別に何カ月頃から与えていいのかが一覧表として整理されています。例えば、アボカドは1歳未満の子には×。「脂質が多く、胃腸への負担が大きい」から。トロピカルフルーツは2歳くらいまで×。「パイナップルは繊維が多く、マンゴーは口の周りがカブれることもある」から。知らないとうっかりつぶして与えてしまいそうなものだけに、勉強になります。
そのほか、「授乳ママのやってイイことダメなこと」「夏にかかりやすい感染症辞典」「ちびコをピロリ菌から守ろう!」「家族の健康は水で作られている!」「年齢別ちびコと行って良かったお出掛けレジャースポット」など育児専門誌なみに充実した企画が立て続けに入っています。もうね、これは雑誌じゃない、参考書ですよ。ラブママ読者の良妻賢母偏差値をぐいぐいアップさせる参考書。よく知らない人は表紙を見ただけで「うわっ」と思うかもしれないですが、ラブママ読者はマジですごいんですよ。節約ワザに「ピザは、生地をこねてトッピングするだけだから超簡単。頼むと2000円以上するピザも約200円で作れるよ!」なんてサラッと言えちゃうエリート集団なんです。そんな選ばれし女性たちが読むハイレベル、ハイクオリティな参考書が「I LOVE mama」なんです。
「I LOVE mama」を読むと、雑誌の真価についてつくづく考えてしまいます。恵まれた環境で子育てをして、あわよくばベビー服のプロデュースでもして金を儲けたいと考えているしたり顔したママタレのインタビューを1本と、地方に住んでいる等身大の読者モデルの初々しいコメント1つでは、読者にとってどちらが価値があるのでしょうか。CHANELの広告1ページとダイソーの商品レビュー4ページは、編集部にとってどちらが価値があるのでしょうか。「I LOVE mama」580円。ここに目いっぱい詰まっているもの、実際に手に取って感じてみてください。
(亀井百合子)