カルチャー
『彼女たちはなぜ万引きがやめられないのか?』監修者インタビュー
摂食障害との合併、高い再犯率……知られざる「窃盗癖」という病
2013/08/07 11:45
――先に窃盗癖になり、後から摂食障害になる人も?
竹村 合併している人の2割は、先に窃盗癖になっています。摂食障害の専門家の方で、「摂食障害の合併症としての窃盗癖だ」とおっしゃる方もいますが、みんながみんなそうではない。摂食障害と窃盗癖がどうしてこんなに密接なのかということも、これまでは誤解されていました。「過食症の人は大量に食べなければ気が済まない、だから物を盗む」という食費節約説が唱えられていて、時には、患者本人もそう思い込んでいたのですが、それにしても多すぎる。アルコール・薬物依存症でも、酒や薬物が欲しいがために盗みを働く人もいますが、ここまで高い割合じゃない。また、経済的に困っていない人も多く、私たちグループが診ている患者には、現役の医者が4人もいます。公判前日や公判中にサンドイッチやお菓子など少額の万引きをするなど、リスクに見合わない行為を繰り返す人も多い。こういったことを考えると、単純な食費節約説では片づけられないことが多いんです。