被害者でいたいという自己愛が強い、「婦人公論」の嫁姑特集
前号において、“夫婦問題は解決しない”という斬新な解決方法を提示してくれた「婦人公論」(中央公論新社)。あれからまだ2週間しかたってないのに、またまた濃い人間関係を持ち出してきました。今号のテーマは「かくも恐ろしい、今どきの嫁姑バトル」。考えてみれば「婦人公論」世代は、嫁であり姑であるという複雑な役割を抱えている人も多い。ここでは一体どちらの立場を語るのか、気になるところです。
<トピックス>
◎もう「いいヨメ」でいようとは思いません!
◎息子を支配、呼び捨て、浮気もする コワ~い嫁に戦々恐々!
◎拝啓、雅子さま 私たちの心は揺らいでいます
■夫憎けりゃババアまで憎い
前号の「妖怪オカリ~ナ」(※オカリナを吹いて、夫へのイラつきを解消する)が象徴していたように、決して対等とは言えない夫婦関係において、必要なのは解決ではなくガス抜き。関係の不平等さでいえば、嫁姑こそ最たるものです。しかし「婦人公論」いわく、「『姑が嫁をイビる』という構図が、変わってきています」とのこと。「昔気質の姑は高齢化、嫁として苦労した世代が姑となって、核家族育ちの嫁を迎える」ことで、嫁姑バトルも家制度から個人主義へと変化しているよう。つまり、「嫁だから」「姑だから」という前提では話が成り立たなくなっているということらしいです。
と言いながらも、読者アンケート「もう『いいヨメ』でいようとは思いません!」でつづられるのは、姑への罵詈雑言。「夫にはウナギを出すが、私にはおしんことお味噌汁のみ」「妊娠8ヶ月でお腹が大きいのに、1階の部屋にある布団を2階のベランダに干すよう命令」(「姑からのヒドイ仕打ち」より)など、積年の恨みが「家のガラクタを処分して、ぽっくり逝ってください」「早く死ね! 食欲だけはあるんだね」「寒いのは骨と皮のオマエだけだろ! 私も子どもも暑いの我慢してるんだよ、バーカ」(「姑にこれだけは言いたい!」より)と辛辣なホンネとなって誌上にトゲトゲ生えています。筆者、久しぶりにこんなアツくて冷たい「バーカ」を見ましたよ。