大コケのフジテレビ夏ドラマ、『救命病棟24時』だけは失敗できない理由
初回から軒並み高視聴率を記録していた今季のフジテレビ系連続ドラマだが、第2回の放送から早くも苦戦を強いられている。中でも健闘しているのは、松嶋菜々子とW主演だった江口洋介が“謎の降板”となった『救命病棟24時』だが、それでも今季のドラマにはフジの焦りが色濃く見られるという。
連続ドラマの命運は、第1回放送の視聴率によって大きく左右されるといわれる。そんな中、フジは江角マキコ以外のキャストを一新した『ショムニ』が18.3%、山下智久主演の月9『SUMMER NUDE』が17.4%、織田裕二主演『Oh,My Dad!!』が13.3%とそれぞれ好スタートを切った。
ところが、ある程度数字が下がるのは仕方がないとされる第2回では『ショムニ』が12.8%、『SUMMER NUDE』が12.8%、『Oh,My Dad!!』が8.4%と、それぞれ5%近くも数字を落とす結果となってしまった。しかし、そんな中健闘しているのが『救命病棟24時』だ。初回17.7%、第2回も15.9%とわずかのポイントダウンで済んでいる。
「当初は、江口が所属事務所とひと悶着を起こしたために降板したと言われていましたが、実際には映画版『るろうに剣心』最新作の撮影のため、江口のスケジュールは昨年夏の時点で、約半年ほどが埋まっている状態でした。しかしフジは、松嶋菜々子という“現代の視聴率の女王”を何としても今クールの作品で使用したかった。江口サイドとしては、まさか自分抜きで制作されるとは、夢にも思わなかったことでしょう」(テレビ局関係者)
フジは7月に亀山千広氏が新社長に就任し、新体制での攻勢を打ち出していたばかり。
「だからこそ7月期のドラマで、何としても結果を残したかったのでしょう。連続ドラマは、テレビ局の勢いが最も反映されるジャンルといわれていますしね。しかし前評判の高かった各ドラマは、初回こそ高視聴率をマークしたものの、2回目のガタ落ちという無残な結果になってしまいました」(芸能ライター)
そして現在、フジにとっての唯一の希望になった『救命病棟24時』。フジは放送前からなんとしても“松嶋特需”にあやかろうと、さまざまな調整をしてきたという。
「すでにほかの仕事が入っていた江口は仕方ないにしても、松嶋も『子どもが夏休みの期間は家で過ごしたい』と譲らなかったようです。しかしフジは、松嶋に『撮影スケジュールをかなり早回しにするから』と説得したとか。いくら大物女優の希望とはいえ、1人の演者のために、全体スケジュールを動かすというのは異例中の異例。ここまで力を入れたのだから、失敗はできないでしょうね」(前出・関係者)
こうして放送にこぎつけた『救命病棟24時』だったが、果たして本当に江口を降板させてまで、今クールに放送するべきだったのか? 3回目以降の視聴率の行方に注目していきたい。