サイゾーウーマンカルチャーインタビュー結婚・育児・老後に「シェア」を生かす道 カルチャー 『シェアハウス わたしたちが他人と住む理由』著者インタビュー(後編) 「仕事と育児の両立は無理」シェアハウスが生んだ、20代女性の結婚・育児・老後 2013/07/14 18:00 インタビューシェアハウス わたしたちが他人と住む理由 表紙も、阿部さん(右)、茂原さん(左)宅で撮影されたとか (前編はこちら) ――『シェアハウス わたしたちが他人と住む理由』の中に、「結婚したって、シェアハウス?」という章があり、結構ぶっ飛んでる考え方かも……と思いました(笑)。 茂原奈央美さん(以下、茂原) シェアハウスの楽しさゆえに、結婚して子どもを産んでも絶対シェアハウスを続けます! というわけではないですよ(笑)。結婚してからも、シェアの概念を失いたくないということです。 うちは家事を完全分業型にしていて、掃除担当、洗濯担当など、おのおの得意な家事を担当しています。これがすごく楽なんですよ。私は掃除が大の苦手。シェアハウスをする前までは、「私、こんなに掃除が下手で、結婚できるのか?」と不安になったものですが、今は、「結婚しても、苦手なことを補い合っていけばいいんだ」と思えるようになりましたね。 阿部珠恵さん(以下、阿部) そもそも結婚でいうと、寂しいという孤独感を理由に、結婚したいと思わなくなったかな。「この人と結婚したい!」と思わないと、結婚しないかも。 それから私も、結婚後もシェアすることを実践したいです。ただ、1つの家に夫婦何組かが一緒に住んでいるというのではなく、隣近所の家同士で仲がいいという形を求めています。例えば、仕事をしながら子育てをすることになったとして、子どもの送り迎えをシェアできる関係性が築ければなと。 茂原 シェアハウスをしたことで、将来への可能性が広がったと感じています。私は子どもを産んでも働き続けたいと思っているんですが、地方出身なので、親に頼ることはできません。現実的に考えて、子どもが小さいうちは時短勤務にするにしても、できる仕事の範囲が制限されるし、それは嫌だなぁと。 それに、実際に時短で働いている先輩を見ていると、ほかの社員よりも早く上がらなければならない分、すごく集中して働いていて、大変だろうなと思っていました。こんなくたくたになって、さらにこのあと家事と育児……私には、できそうもないな、と。女性のキャリアって、制限だらけだと感じていました。でも、いろんな人と家事をシェアできたら、家事も子どもの送り迎えも分担制にでき、週に4日フルタイムで働けるかもしれない、残業もできるかもしれないと思えたんです。将来を思い描くのが、本当に楽になりましたね。 123次のページ Amazon 『シェアハウス わたしたちが他人と住む理由』 関連記事 「東京は希望」「東京には何もない」山内マリコ×中條寿子の女子と地方「生」と「性」に折り合いはつけられない、不妊症の主婦がセックスの果てに見た希望古典に育児放棄の記述も! 「昔はよかったのに」という幻想を暴く「今の時代、モテても恩恵はない!」峰なゆか×雨宮まみが"モテ"を分析旦那がイケダンじゃないのは自分の責任!? 「イケダン育成術」は何を示唆する?