こじらせ女子メーカー「an・an」が、実体なき“モテるアラサー女子”を喧伝!
■教科書として「an・an」を読む危険性
「LINEとFacebookから広告費をもらっているのか?」と思うくらい、SNSネタが多い今号。それだけSNSがコミュニケーションツールとして浸透したということでしょう。少し前なら「これがモテメールだ!」だったところを、「これがモテLINE&モテFBだ!」と紹介している企画「LINE&FBで恋を育てる優テクニック」を見ていきましょう。
「メッセージは3行まで!」「スタンプはチェリーココとブラウン&コニーを使いこなせ!」など、かなり具体的な「モテLINE」の例が示されています。また、アラサー男性4人による「ホンネ座談会」では、「既読がついたら早く返信くれる子は好感度高い」「こっちがテキスト+スタンプで送ってるのに、テキストでしか返ってこないと温度差を感じてテンション下がらない?」「わかる!」と、盛り上がります。 これ、女子中学生に座談会させても、同じことを喋りそう。メールに絵文字をつけないと「怒ってる?」と聞いてくる男性もいるそうなので、SNSの文体に関する考え方は男女あまり変わらないということなのでしょう。
そして、LINEで一番人間関係のトラブルに発展しやすい「既読」。メッセージを読むと「既読」とマークがついてしまうため、「読んでるけど返信していない」がバレバレになってしまいました。本誌では、「既読にならずにメッセージ内容を確認するウラ技」が紹介されています(しかも、そのウラ技を相手に使われないようにするためのワザまで紹介!)。LINE疲れしている人は必見ですが、こんな裏ワザを使ってまで放置したい相手と「大人の恋」を育てたところで、実りある結果にはならないような。
とにかく、正論とテクニックづくしの今週号。とんちんかんなことや見当外れのことは書いてありません(『ルールズ』のような劇薬はありますが)。でも、これを全部実行に移すと、「なんか必死」「頑張りすぎじゃない?」と思われてしまうのが目に見えます。適度に取捨選択して彼氏作りに生かせればいいのですが、それができれば最初から彼氏ができているような気も……。そんな真面目で優等生が多い「an・an」読者。今号を教科書にしすぎて、非モテをこじらせないか心配です!
(青柳美帆子)