“結婚しても女をキープ”で読者をさらに追いつめる「CLASSY.」の鬼畜っぷり!
冒頭の「里子のほっこり京都散歩」はほっこりスルーして、本題はここから。「神戸読者・手塚香さんの正統派“華やかオシャレ”の秘密」から漂う“わてがんばってまっせ!!”臭にどうぞメロメロになってください。オシャレの秘密として挙げられた「ルブタンの8cmヒールパンプスがベスト美脚シューズ」「定番ものこそアイコン、ロゴでクラス感を」「バッグはやっぱりシャネル&エルメス」などは初心者にもわかりやすい「CLASSY.」ギャグ。さらに「ヘアはロングの巻き髪以外は考えられません」「理想の彼とは迷うことなく早婚です」と畳みかけ、全国の読者にこれぞ完璧な「CLASSY.」芸人たるものを見せつけていました。レースのミニスカートにシャネルのチェーンバッグとか、ド派手柄のショーパンに白ジャケットとか、極め付きはバブル臭漂うスカーフモチーフの水色サマーニットとか、スカした東京では浮き浮きになりそうなファッションを“お家芸”として包み込む神戸。脚とブランドロゴは出すもの、髪は巻くもの、そして努力はアピールするもの。人生はトゥーマッチくらいがちょうどいいことを「CLASSY.」関西読者は私たちに教えてくれるのです。
■「女の価値をキープする」という言葉の重み
同世代男性たちがのたまう「こんな『CLASSY.』女子はイヤだ」コメントは、もはや「CLASSY.」名物と言っても過言ではございませんが、今号の「意外に見られてます!僕たち、女子のココが許せない!」も“そこまで言って委員会”状態。「素足になったとき足の爪がまるでオッサン!」「服から透けて見えるブラ線にのったハミ肉……すごくおばさんぽい」「関節が黒ずみまくりだと不潔な感じ」などなど男子たちによる「100年の恋も冷めたエピソード」を紹介しています。
あぁ「CLASSY.」(読者が狙っているラインの)男子たちよ、君たちに「加齢」という概念はないのか。君たちは今後一切ハゲ散らかしたりデブったり腐った脂の臭いを放ったりしないんですよね! もしかして「結婚してもいつまでもキレイな妻でいてくれ」とかオカルトめいたことを考えていないですよね! 加齢も劣化も手抜きもお互い様だということに気付いていない恐ろしい人たち。そんな彼らが結婚したら恐らくこうなるだろうという、予言のような企画があったので紹介します。「結婚したら“女”じゃなくなる恐怖に打ち克つ!」では、既婚女性が感じた「もしかして女って思われていない……?」というお悩みと、既婚男性がぶっちゃける「妻の豹変にガッカリ」という本音がぶつかる、世にも恐ろしく面白いページです。
既婚女性の悩みの多くは「手をつないでくれない」「髪を切ったことにすら気付かない」「記念日のお祝いがいつの間にかなくなった」など、お姫様だった私が“ただの同居人”へと変わっていく恐怖。一方、既婚男性たちの本音は「一緒にDVDをみながら鼻くそを取っていた」「スレンダー体型が好きなのに彼女のお腹は三段腹」「すっぴんで買い物」「わき毛の剃り具合を確認された」など、お姫様だった彼女が“普通のオンナ”に変わっていく、これまた恐怖です。「どんな私でも愛して欲しい」と願う女と、「女の本当の顔を知って逃亡寸前」の男……こりゃ一生すれ違いですよ。
不思議なのはこの人たち、付き合っている間に、そういう顔をお互い一度も見せたことがなかったのかということ。その点で非常に興味深かったのがコレ「どうやって“女”の価値をキープしましたか?」。男と女の危機をあらゆる方法で乗り越えた既婚カップルがエピソードを語っていますが、まぁ地味にびっくりすることばかり。結婚前は「彼の前ではキレイでいるのが当たり前。すっぴんやジャージ姿、下着姿では彼の前に出ないというのが私の信念」という女性が、子育てで髪を振り乱す姿に夫はげんなり。そんな夫の冷たい視線を感じて、7カ月で仕事復帰。まつげパーマをかけネイルもきっちり髪も巻き巻き。すると……なんということでしょう! 夫の態度は急変「身なりを整えて出勤する姿に、再度惚れ直しているところです(夫)」って! でもこれが本当にあった「CLASSY.」のコワイ話なんですよ。
最近はやりの「こなれ」に代表される“がんばっていないっぽい”ファッションが、どれほどのがんばりの上に成り立っているのか。筆者「CLASSY.」女子に成り代わって男性諸氏に申し上げたいです。バカヤロー。しかし、「女のコはいつでもキレイにしてなきゃいけない」という呪縛から逃れようとしないのもまた「CLASSY.」女子。戦況が厳しければ厳しいほど、幸せな結婚レースからの脱落者は増えるわけですから。「CLASSY.」女子と相手である男性陣との化かし合いが、既婚女性向けの「VERY」(光文社)のおしゃれママ&イケダンに続いていくことを実感しました。
(西澤千央)