「DRESS」なアラフォーと読者の断絶止まらず、苦心の末の企画は「スピ」!?
颯爽と創刊した「DRESS」(幻冬舎)も早3号目。雑誌というものは、まず創刊号は、各種データを元に想定読者を設定して企画を作り、読者の反応を見る。創刊号が出る頃には、とうに2号の制作に入っているから、創刊号の評価を反映するのは難しいかもしれない。しかし3号目くらいからは、恐らく読者の意見を反映した誌面作りにシフトチェンジできる時期でしょう。一体、「DRESS」は読者の意見によってどう変わったのか、早速読んでみたいと思います。
<トピック>
◎私が「どん底」で見た夢
◎働く女の体問題
◎“幸せ引力”を身につける!
■「DRESS」のどん底レベルとは?
起業した女性4人に、どん底から這い上がった経験を聞くという企画「私が『どん底』で見た夢」。「起業なんかしてきらびやかな生活をして、いいわよねあなたたち!」という羨望のまなざしをガンガン受けそうな彼女たちだけれど、「実は私たち、こんなに苦労してるんですよ。でも、夢を追おうと思えば力が湧くし、誰にだってできることなんです」と、読者の共感を求めたのだろうと推測します。だってほら、今までの企画って、週末には“韓国の”サウナでデトックスしたり、週末にホームパーティしちゃったりして、あまりにも読者にとって現実離れしてたから。
ところがこの「どん底」経験、「衆議院選挙に立候補するも落選」はさておき、「転職を繰り返す」とか「会社がイマイチ」とか、飲みの場の愚痴レベルで、正直、ゴシップに慣れ親しんだ身には「えっそれでどん底?」と思ってしまいます。40年も生きてれば、誰だってうまくいかない時はありますよ。莫大な借金を負ったとか、男に騙されて身ぐるみ剥がされたとか、「うわっそれは大変!」と思うレベルの話が1つもない。
もちろん、「DRESS」はゴシップ雑誌ではなく女性ファッション誌です。女性ファッション誌は、ある意味読者に夢を売るのが役目だから、ここに極上の「どん底」を書くわけにはいかないのでしょう。でも、本人にはつらかったかもしれないことでも、他人から見れば単なる人ごと。もっと大変な思いをした読者もいるのではと思うと、ものすごく薄っぺらい体験談に思えてしまうのです。