コラム
【連載】芸能人夫婦百景

「ガサツ妻であり続けること」北陽・虻川美穂子、シェフ夫との離婚回避策を考える

2013/06/23 17:00

独身女性にとっては、海のものとも山のものとも知れない結婚――。世間をにぎわす芸能人夫婦から見えてくる、さまざまな結婚・夫婦のあり方に、“結婚とは何ぞや”を考えます。

【第2回】北陽・虻川美穂子&イタリアンシェフ・桝谷周一郎

(左)『おしごと体験バラエティ~北陽の「なりたい!」』/ポニーキャニオン(右)「ぐるなびシェフ」公式サイトより

 4月1日は、エイプリル・フールである。この日に嘘をついても誰にも咎められないし、どれだけエスプリの効いた嘘をつけるかが試される部分もある。

 女の人生にも、同じように嘘をついてもいい日、話を盛ってもいい日がある。それが「結婚を発表した日」である。結婚の決まった女性は、周囲にその経緯を説明する義務(あるいは権利)を持つが、「社内結婚なんてダサいと思っていたけれど、ま、こんなもんかなと思いました」などという本心は、口が裂けても言ってはいけない。既婚者は「決まるというのは、縁があったということ」と、話を盛らなくても納得してくれるだろうが、独身者からは「愛されてない」「独身でいるのが嫌で、妥協した」と陰口を叩かれるのがオチである。素敵な恋愛を経た人もそうでない人も、エチケットとして話を盛ることをお勧めする。

 お手本は、おしゃれな女性有名人である。彼女たちが語る結婚ストーリーは、お決まりのものだ。相手とは「自然」かつ「必然」的に出会う。自分の顔や体など外見を賛美してくれるのはもちろんのこと、人生を共に過ごすパートナーとしてふさわしいと「内面」もじっくり評価してくれる。そんな「今までの人とは違う、唯一無二の人」と思う相手と結婚に至ることになっている。

 だが、女性としての資質に優れた、顔もスタイルもいい女優や女子アナが、素晴らしい相手と巡り合うのは、ある意味当たり前である。そういう意味では、恋愛に縁がないとされる女芸人が素晴らしい相手を射止めるのは、女性により現実味のある希望を与えることになる。公開逆プロポーズをして、イタリアンレストランのオーナーシェフ・桝谷周一郎氏と結婚にこぎ着けた北陽の虻川美穂子も、その1人であろう。

 が、皮肉なことに結婚前のドラマチックさが、生活に直結しないところが、結婚生活というものである。スキンシップを取りたい虻川に対し、夫はクールである。手をつなごうとしても、そばで寝ようとしても、距離をあけられる。映画に行けば、離れて座る。勝負下着で夫の帰宅を待っても、拒否される。客観的に見て、夫が虻川の女としての部分にまるで魅力を感じていないことがわかる。そんな夫婦の実態がテレビ局の目に留まり、今や虻川夫妻はバラエティや人生相談でひっぱりだこである。

 お笑い芸人である虻川は、番組において視聴者を笑わせる役目を担っているが、上記の行動はあまりに寒々しくて笑えないし、夫も「冷たい人」とみられて、結果的に虻川夫妻はイメージダウンしてしまった。そこでこの夫婦は、露出の方向性を変えた。虻川がいかに「ダメ妻」であるかを、テレビで夫に暴露させるのだ。すね毛をそらない、珍妙な洋服のセンス(夫はコンサバな服が好みだが、虻川は動物が大きく描かれたデザインが好みのようである)、食欲をなくさせるくらい油でギトギトの豚の角煮を食卓に出すなどと、夫は嬉々として暴露し、虻川が「おめぇ、それは家で言えよ」と怒るのはもはや定番である。

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