『徹子の部屋』で語られた、蛭子能収が1日自由になる“よっちゃんデー”
ハリウッドスター、トム・クルーズ出演の次の日のゲストが蛭子能収。このラインナップの振り幅が『徹子の部屋』(テレビ朝日系)の素晴らしいところだ。
6月3日放送の『徹子の部屋』のゲストは、蛭子さん。初対面ではないのだが、あらためて徹子が“蛭子能収”という名前の珍しさについて触れると、「ヒルコノウシュウ」とも読まれると蛭子さんが言う。
「“ヒルコノウシュウ”……フッフッフ。外国人ですね、ヒルコノウシュウさん……」
徹子、噛みしめるように言う“ヒルコノウシュウ”という響きが、ちょっとツボだったようだ。そして話は、蛭子さんがいかに世間の尺度からズレているかというエピソードに。よく知られた話ではあるが、あらためて蛭子さんが、
「人の葬式に行って、きちんと泣いたことがなくて。むしろ、笑ってしまうことの方が多くて」
と語る。しかし、先年他界した最愛の妻の時はまったく違ったようで、
「本当に悲しくてですね。もうなんか……涙が止まらないぐらいに、ずーっと泣いてましたね」
とのこと。とてもいい話だがすかさず、
「ただ泣いちゃった割には、わりと早く……」
と、再婚したことを徹子にいじられる蛭子さん。「へっへっへ」と照れながら、
「ものすごくね、やっぱり寂しかったんですよ」
と、理由を語る。話題は再婚した現在の奥さんとのことへ。
「今はちょっと。結構怒られてばっかりいるんですよね」
そんな奥さんとのエピソード。蛭子さんの仕事に合わせて、2泊3日で夫婦初めての旅行に出かけた。しかし、2日目に「ちょっと行かせて」と競艇場に行き、3日目にも競艇場に行きたいと言ったところで奥さん激怒。
「俺の方が多分、間違ってるとは思ったんですけど」
というところまではいいものの、
「前の女房は意外と許してくれてたんですね」
そこ、並べちゃいけない気がするのですが。お台場のレストランでデートした際にも、別れを切り出されたという。何が駄目だったかというと、奥さんが手をつなごうと、手を差し出した時、蛭子さんが無意識にそれを振り払ったのだという。この話に、
「アハハハハ……ホホホホホホホ……」
と徹子、大爆笑。そして、
「そーーりゃ、ダメでしょう!」
キッパリとしたダメ出し。当の蛭子さんはといえば、
「前の女房とも手をつないで歩いたこと、1回もなかったんですよ」
また、前の奥さんを引き合いに出してしまうのだった。話題は変わって、2人でよく神社めぐりをするという話に。ここでまた、「蛭子さんすぎる」観点が飛び出す。
「最近の神社ってね、賽銭箱がすごい増えてて」
蛭子さんが言うには、10カ所ぐらい賽銭箱を置いている神社もあるという。奥さんがそこにお賽銭を1,000円ずつ入れることがあるという。だから、
「1万円ぐらい、あっという間になくなるんですよ」
それを見ていると、蛭子さんはそのお金で競艇したくなっちゃうんだそう。しばらくお賽銭システムについて話をした後、蛭子さんは言った。
「とにかく、お賽銭を増やそうとしてるんじゃないですかね」
ものすごく、蛭子さんらしい発想。話題はまた変わり、
「とにかく俺が自由な時間をくれということで」
最近は1人で1日自由に遊んできてもいい、“よっちゃんデー”を設けているという。この話を始めた蛭子さんを見て、
「すごいうれしそう! ニコニコして」
という徹子。
「やっぱりね、自由にこうして遊ぶっていうのが、すごくうれしいんですね」
蛭子さん、うれしそうすぎ! と思うが、こういうところが一番蛭子さんぽい一面だ。やっぱり普通の尺度では、計りきれない。1人で遊んで帰っても、帰った家に誰もいないんじゃなくて、ちゃんと奥さんがいてくれるから、もう寂しくない。これが今の蛭子さんにとっての幸せ。結果、蛭子さんは幸せなのです。
(太田サトル)