「nina’s」のママは、ママ友不要? 友だちになる基準はやっぱり「オシャレ」
今号の表紙は木下優樹菜。ママ雑誌としては珍しく、実の子どもと一緒に表紙を飾っています。この赤ちゃんが、なんの疑いもなくフジモン(藤本敏史)。目も鼻も口もしっかり藤本天然素材です。インタビューにも親子仲良く登場。「nina’s」のママタレントインタビューは高尚な趣味やこだわりの育児グッズをアピールする、いわばママタレのセルフプロデュース劇場に陥りがちですが、これが元ヤンのあっけらかんさなのか、木下は「聞かれたことに答えただけ」というさっぱり味。例えば「アクセサリーを楽しむ」というくだり。通常の「nina’s」であれば「ママでもアクセでおしゃれしたいですよね。そんな気持ちで作ったのが○○(自分がプロデュースしたブランド)の○○シリーズなんです!」と心の北社長(トーカ堂)が登場するところを、ユッキーナの場合は「プチプラだったら子どもが引っ張って壊れても気にならないっス」でおしまい。葛飾ナチュラルボーンヤンキーのナチュラルな姿勢に、オシャレママはなにを思う……?
<トピックス>
◎COVER INTERVIEW ゆきなさんとりりなさん
◎子育て&ママライフの今まで&これから、どうなりますか?
◎きっかけは? 関係を続けるには? いいママ友の作り方
■その育て方のアガリってなに?
今号の特集は「子育て&ママライフの今まで&これから、どうなりますか?」。Part.1の「憧れママ6人の子育てHISTORYを振り返り!」では、出産してから現在までの年表と共に、子育て苦労話が掲載されています。スペインに移住した元モデルやブランドディレクター、ミュージシャンにショップスタッフ、美容師……クリエイティブ信仰の強いママ(クリママ)たちを問答無用でひれ伏させる神職業の人々が降臨。たいていのママたちはライブもレコーディングもしませんし、ブランド立ち上げませんし、インターナショナルプリスクールにも入れませんので、まぁこの年表ほとんど参考にはなりません。しかし「nina’s」は等身大の悩みを打ち明けあい共感し合う雑誌にあらず。「先輩ママに子育てのヒントをもらう」という体ではありますが、その実は「クリエイティブっぽいことをしているママの生活をのぞくことで、自分をクリママに擬態化させる」という意味合いの方が大きいのです。“産後セックスどうしてた?”とか、“孫に異常に干渉してくる義母をどう撃退した?”とか、“出産時にこじらせたイボ痔取る取らない”とか、そんなぬかみそ臭い現実はいらないんです。欲しいのは、どのブランドのベビーグッズがいま一番オシャレか、その一点!!
ですから、例えば仕事復帰を真剣に考えているママが読んでも「仕事は週3回というルールで」「2日続けて仕事をしないと夫と決めてる」というクリママのヌルい仕事スタイルには嫌悪感しか抱かないでしょう。それより、「やらせてよかった! 人気の習い事TOP3」の第1位にはやっぱりアートクラスがランクインしていたり、「赤ちゃんのときからビートルズの『イエロー・サブマリン』やミシェル・ゴンドリー作品をよく観せていました。そのおかげかアート好きに」「ものづくり学校のリズムワークショップ(に通わせています)。身体で音楽を楽しめるようになってライブなどに喜んでいくようになりました」といった先輩ママたちのコメントに、そこはかとないおしゃれ自意識を嗅ぎ取りニヤつくのが、正しい「nina’s」鑑賞法といえます。