「顔面そっくり整形」「陰毛カミソリ贈呈」命すら厭わないセレブファンの狂行

■アメリカ人の1／3が「セレブリティ崇拝シンドローム」

　6,000通を超えるファンレターを送ったのに返事がなかったと、妊娠中だった妻を殺すと脅迫されたマイケル・J・フォックス。ジムでのワークアウト中に、ストーカーから大量の陰毛が絡みついた電気カミソリを投げつけられたヒュー・ジャックマン。半年の間、18,888回もツイートしてきた熱狂的ファンが、とうとう自宅周辺をうろつくようになり、すっかり脅えているアシュレイ・ティスデイル。ニコール・キッドマン、メグ・ライアン、ケイティ・ホームズ、エマ・ワトソン、ブレイク・ライブリー、キルスティン・ダンスト、ウィル・スミス、シャロン・ストーン、マイリー・サイラスなどなど、ストーカーと化した熱狂的なファンに執拗に付きまとわれたことのないセレブはいないほどだ。ハル・ベリーもよく被害に遭っており、2011年7月にはストーカーがビバリーヒルズの邸宅に不法侵入したため、その家を売りに出したことが話題になった。

　特定のセレブに夢中になることを、アメリカでは、「セレブリティ崇拝シンドローム」に陥ると言う。03年にフロリダ大学と南イリノイ大学の心理学者たちが共同で調査を行った結果、アメリカ人の実に1／3が、セレブリティ崇拝シンドロームに陥っていると判明したという。大半は、自分の時間や金をセレブに捧げることで満足する無害なファンだが、中には、愛するセレブのためなら法を犯し、命をも捧げると思いつめているファンがいると報告されている。

■顔面総整形、殺し目的、見境ないファン心理

　ジェニファー・ロペスと同じお尻になりたいと切望し、70万円かけて「臀部増強手術」を受けた37歳の女性ファン。ジョン・トラボルタの生き写しになりたいと85万円かけて「鼻を整え、顎を割り、30歳老けて見える」手術をうけた20歳の男性ファン。100万円を支払い大好きなブリトニー・スピアーズとまったく同じサイズ、形の乳房を手に入れた28歳の女性ファン。ブラッド・ピットが好きでたまらなく「鼻を整え、頬を高くするインプラントを入れ、歯茎をリフト、顎にもインプラント」を入れた20歳の双子の兄弟など、セレブと同じ外見になりたいと切望し、実行に移すファンも狂信的だが、彼らはまだ無害だとされている。

　長い針など黒魔術の道具を持参してブラッド・ピットの豪邸に侵入、ベッドに寝て逮捕された女性ファン。「スティーヴンを拉致、誘拐して強姦しろ、という声が聞こえた」と、手錠、カッターナイフ、ダクトテープなどを持参してスティーヴン・スピルバーグの邸宅に侵入し、逮捕された男性ファン。「結婚してくれないから、喉をかき切ってやろうと思った」と、マドンナの邸宅に繰り返し不法侵入した男など、好きだという気持ちが高じて精神を病み、セレブの命を狙うようになるファンもいるのだ。

　セレブたちは、このような奇行に走る危険なストーカーファン対策のために、大金を支払いセキュリティーチームを雇う。テイラーも、今回、セキュリティーチームのおかげで、男性を敷地内に侵入させずに済んだのだ。今回の件で、テイラーは震え上がっていることだろうが、付き合った男を歌のネタにする彼女にはアンチが多く、「海はテイラーのものじゃないから、不法侵入にはならない」「大金持ちだからって勘違いしすぎ」という声も上がっている。3.2キロを泳ぎ損した、この正直な男性をテイラーが起訴したら、バッシング祭りとなるだろう。しかし、ストーカー行為は、決して許されるものではない。果たして、男性は裁判にかけられることになるのだろうか？