カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」6月号

「男ウケ」を称賛しながら、男の単純さを伝播する「CLASSY.」の奥深さ

2013/05/04 17:00
「CLASSY.」2013年6月号(光文社)

 今月の特集は「こなれカジュアルは『里子シンプル』で進化する!」。「CLASSY.」看板モデルの小泉里子とスタイリストの荒木里実の“里×里”対談「『里子シンプル』最新バージョン」に、「こんな時、里子は何を着ていく?」「これからの里子を作る“10年愛”アイテム」など、特集すべてが里子里子里子。中でも注目は「里子の『朝活』『昼活』『夜活』密着ドキュメント」です。なんでも「ブログだけでは分からない“素顔”を公開」ということですが、これが本当に絵に描いたような年増モデルの日常! 気持ちよく晴れた朝はジョギング、昼は骨董通りでショッピング、旦那さんの喜ぶ顔を想像しながら夕飯の買い物して、夜は和食中心のメニューを手作り……しかしそんな“ありきたりの日常”の中にさりげなく作家モノの九谷焼を登場させたり、通っているのがナショナル麻布スーパーマーケットだったり、「普通のようで普通じゃない」アピールも忘れません。あぁこうして「CLASSY.」女子は「VERY」へと移行するのだなぁと思いを新たにした次第です。

<トピックス>
◎こなれカジュアルは「里子シンプル」で進化する!
◎アウトドアイベントのぴったり服はコスパブランドで探せ!
◎「男のマリッジブルー」その傾向と対策

■女の荷物が多いことも嫌がるくせに

 オシャレでサバサバしていて男女双方から人気が高そうな小泉里子は、あくまでも「CLASSY.」の象徴。小泉さんからそこはかとない余裕が漂うのも、ひとえに稼ぎの良さそうな旦那を得て早々にアガっているからに他ならず。現実世界を生きる「CLASSY.」ガールたちにとっては、シンプルでヘルシーな日常や、同性ウケするサバサバ感よりも、どうやって目の前の敵を出し抜くかが肝要です。そんな結婚いてまえスピリッツがファッションやメイク企画にストレートに表現されるのが「CLASSY.」の面白いところ。

 例えば「アウトドアイベントのぴったり服はコスパブランドで探せ!」。川遊び、ハイキング、ナイター観戦、フェスなどイベントでのファッションを紹介していますが、リードにもはっきりと「合コン要素のあるアウトドアイベントにも対応できる、男の子受けばっちりのカジュアル服が必ず見つかります!」の文字が。ベタなポニーテールを「男のコの永遠の憧れ!?」と称賛したり、単なるデニムとチェックシャツという組み合わせを「サバサバ感をアピール」と推奨したり、全体的に「自分、コスパ的カジュアルに不慣れなもので……」が漂っているのが気になりますが、いやいやイイんです!

 この企画のキモは、シチュエーション別ファッションの「POINT UP!」として提案されている4つのモテ要素。それはアクセサリーでもヘアメイクでもなく、川遊びには「除菌シート(男子が釣り餌をつけてくれたらさりげなく差し出す)」、ハイキングには「絆創膏(女性らしく気が利くところをアピール)」、ナイター観戦には「手作りスープ(野球場の夜は意外に冷えるの)」、フェスには「タオル(欲しい時にふかふかタオルは絶対に効果抜群)」……。ベタを笑うものはベタに泣く。一周まわってこのベタ感こそ男心を掴む最終奥義であると、百戦錬磨の「CLASSY.」は訴えます。

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