無念……三國連太郎、名優親子の父らしからぬ“置き土産”とは
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎「さすが」と言わせてほしかった
三國連太郎死去。「恩讐の彼方」って感じでカッコいい佐藤浩市であるが。しかし、惜しむらくは、「さすが名優同志」な感じの迫真の親子共演映像を残すことなく父が逝ってしまったことだ。繰り返し流れるの、『美味しんぼ』の共演シーンばっかりなんだもん。しょぼ。
密葬後の会見で、佐藤浩市は「(三國連太郎が見てるので)これからは雑な芝居も、不遜な芝居もできないような気がします」つってたけど、あれ、去年やってた中山美穂とのへっぽこドラマのこと指してるのかな。内省できるって素晴らしい。今後の佐藤浩市に期待したい。
◎「さすまた」のネーミング問題
愛知のたてこもり事件。屋根の上という、たてこもり史上かつてない丸見えっぷりには笑ったが。飲み物を差し入れて説得なんてしてないで、トイレもないし足場も悪いし、向こうから「降ろしてください」って土下座するまでみんなでほっとけばよかったのに。逮捕の際のドンパチが、上からの警官の攻撃から、下の2人の様子まで、組まれたセットの中でやってる番組みたいで、つい「しむら~、うしろ~!」って声をかけたくなった。
最後、ボニーとクライドみたいなドラマチックな感じで終わってほしかったが。さすまたでグリグリて。ま、銃社会ではない日本において、このさすまたというのは、応戦の場で、かなり有効な武器らしい。小学校なんかに必ず置いてあって、使い方の練習とかもしてるそうな。「さすまた」って、あの呼称がいけないんだな。「ポスト振り込め詐欺」に続いて、「さすまたの新しい呼び名」も公募したらどうだろう。それも小学生に限って。「チョークスリーパーホールダー」とか「サンダートルネードクラッシャー」とか「クロスボンバースーパーバリヤー」「ファイナルスラッシュブリザード」等々、イカす新ネームが続々寄せられて、さすまたイメージの向上、技術上達、防犯効力アップに役立つかもしれない。さらに言えば、あの特殊部隊の「SIT」ってのも何とかしたい。日本の組織なんだから、別に英語の意味なんざ気にする必要ない、という見方もあるかもしれないが。それにしても「うんこ」ってさぁ。
話を事件に戻すが。これを再現VTRにする時は、ぜひアベック役には早乙女太一と西山茉希を起用してほしい。せめてもの餞として。末筆になるが、本当におめでとうございまーす。
◎ファイトマネー横領事件の真実(?)
格闘家・秋山成勲のファイトマネーを、管理会社の口座から勝手に引き出し横領していた元副社長が逮捕。「口座がヌルヌルしてて、金がすべって勝手に出てきたんです。本当です! 自分は何もしてない!」と無実を訴えているそうな。うそ。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。