カルチャー
[連載]ぶっちゃけ結婚ってどうですか?【乙武洋匡氏 前編】
乙武さんの提言「労働も家事・育児も大変、だからこそ互いの立場を想像しよう」
2013/04/12 11:45
結婚――それは独身時代に抱いていた“理想”を壊し合う作業から始まる、超現実的な「生活」の日々。まったく違う人生を歩んできた2人が“夫婦になる”ためには、どんな試練が待ち構えるの!? ぶっちゃけ結婚ってどうですか?
――現在、2児の父親である乙武洋匡さんは、24歳で結婚しました(当時、夫人は22歳)。今年で結婚13年目。お互い、どこに惹かれ合ったのでしょうか。
乙武洋匡氏(以下、乙武)僕はもともと、自分に自信のない人・暗い人・僕に興味がない人という3拍子揃った人が好きなタイプだったんです。なんとなく、彼女はそういうタイプかなあと(笑)。
――外交的な乙武さんとしては、好きなタイプが意外ですね。
乙武 そういうタイプの人といると、居心地がいいんですよ。妻はぐうたらしてるのが好きな人で、子どもが生まれる前までは、昼過ぎまで起きてこないこともよくありました。なので、僕はしょっちゅう餓死しかけてました(笑)。まあ、僕はチャキチャキ家事することをパートナーに求めてないので、特に不満はなかったし、むしろぐうたらしている彼女に居心地のよさを感じていました。
――朝起きたら奥さんのおいしい手料理が並んで……など、理想の家庭像は?
乙武 一切ないです。理想って、僕は前よりも後ろに位置していたらいいなと思ってるんです。理想が前にあると「こんなはずじゃなかった」と思っちゃうじゃないですか。それはプラスにならない。毎日お互いを思いやって精いっぱい生きた結果、後ろにできるものが理想。そういう夫婦でありたいと、結婚当初から意識していました。