「スクール・ママ・カースト」のリアルを暴く、「VERY」ママの小物術
いやー、今月の「VERY」(光文社)ずっしりと重いです。休刊する女性誌が多い中で、この広告の重み、安定感を感じます。さて、今月は新年度ということで、新連載も増えています。ゆるやかに変わりつつある「VERY」を見てみましょう。
<トピックス>
◎タキマキの「目指せ! ニッポンのお母ちゃん」
◎“ならしの4月”のオシャレ作法
◎ママCEOの起業ビジョンボード
■新しい目標は「知性派のお母ちゃん」?
まず、今月から始まったコラムは2つ。専属モデルで表紙にも登場するエースとも言える“タキマキ”こと滝沢眞規子さんの「目指せ! ニッポンのお母ちゃん」と、2人の女の子のママでありながら翻訳・音楽関係のライターもしている、ちょっとした知性派のクリス・ウェブ佳子さんの「月刊ウェブジャーナル」です。
前者のタキマキさんは、別に「お母ちゃん」っぽい風貌じゃないのに、「お母ちゃん」と自称することで、「私、けっこう下まで降りてきてますよ! 親しみやすいでしょ!」とでも言いたげですが、コラムもブログのように、改行をたくさん入れたエッセイ風の語り口になっています。娘の受験勉強に合わせて、自分も食育の勉強を始めてみたとつづられ、最後には、子育ては悩むけど、正解がないから、「でもそれでいいんだ」と自己肯定して、がんばってる感をアピール。
そんなタキマキさんに対してクリス・ウェブさんは、自らは働く知性派ママであるにもかかわらず、そのテーマは「主婦だって立派な労働力であり、無職ではない!」というもの。フルタイムマザーへの偏見に対して、「主婦は家事と育児のプロなんだよ」と鼻息を荒くしています。
対照的な2人のコラム、これは「VERY」と「VERY」読者の今後の在り方を示しているのではないでしょうか。親しみやすく、あまり深く考えず「お母ちゃん」を目指す路線と、社会問題を考える意識高い路線、この2つがそれぞれ独立していることが望ましいのではなくって、両面の使い分けをしないといけない……ということなのかもしれません。