『ER』の伝説的ヒールから、テレビドラマの監督に出世したポール・マクレーン
――夢中になった映画やドラマに出演していた、あの人。パタッと見なくなったけど、やっぱり気になる~!! そんなアナタのために、サイゾーウーマンの海外特派員・JULIEが、噂のあの人の仕事からプライベートまで、現地で情報をかき集めてきました!
■今回のターゲット
ポール・マクレーン(『ER緊急救命室』のロバート・ロマノ役など)
大都会シカゴにある病院の緊急救命室を舞台に、献身的に働く医師とスタッフの姿をドキュメンタリー・タッチで描き、世界中で大ヒットしたテレビドラマ『ER緊急救命室』。同作で、腕はいいが口が悪い一匹狼の外科医ロバート・ロマノ役を演じたのがポール・マクレーンです。病院が舞台のドラマはメロドラマになりがちと言われることが多いですが、ロマノの存在で湿っぽくならず、よりリアルに描けたとも評価されています。
ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のポールは、俳優兼執筆家の父親、看護師の母親、兄と3人の妹という大家族に育ちました。幼い頃から、父親の舞台を観に行き演劇に慣れ親しんできた彼が、役者に興味を持ったのは高校入学後すぐ。16歳でプロの舞台に立ち、ダイアン・レイン主演のオフ・ブロードウェイ『Runaways』に出演。17歳の時に、サインをねだる少年役で出演した『ロッキー2』で映画デビューを果たし、19歳で「スターを夢見る若者たち軌跡」を描いた青春映画『フェーム』(1980)に主役の一人として出演。“歌唱力も演技力もある赤毛の若手俳優”として名が知られるようになりました。ちなみに『フェーム』のサントラには彼の歌も入っているので、ポールはグラミー賞ノミネート歌手という肩書も持っています。
『フェーム』出演後は、次から次へと仕事のオファーが舞い込むようになったそうで、ブロードウェイや映画を中心に活動。『ホテル・ニューハンプシャー』(84)では、個性が強く友人の少ないゲイという難しい役どころを熱演し、高く評価されました。『ER』では人種差別するキャラを演じていましたが、「ゲイの人たちは、『ホテル・ニューハンプシャー』の役者として覚えてくれている。当時はゲイはまだタブーだったからね。“あの役を演じてくれて、ありがとう”と言ってくれる人もいて、役者冥利に尽きるよ」と、ポールは語っています。なお、『フェーム』は82~83年にテレビドラマ化されたのですが、「オファーはもらったけど、テレビドラマのレギュラーはやりたくなかったんだ。当時は、テレビ俳優は格下だと見られていたからね」と出演依頼を断ったそうです。