芸能
第1回サイゾーウーマン勝手に調査団

番組制作者・関係者に聞いた、「ワイプが上手い芸人」は?

2013/02/04 11:45
『芸人報道01』/よしもとアール・
アンド・シー

 テレビの世界でよく耳にする「ワイプ」という言葉。これは、バラエティ番組や音楽番組などで出演者がVTRを見ている様子を映した小窓を意味する業界用語だが、近年では一般視聴者にもその言葉が浸透している。

 朝の情報番組でも「ワイプ」は使われているが、バラエティ番組でワイプを多く用いた番組では、『中井正広のブラックバラエティ』(日本テレビ系)、『ぴったんこカン・カン』(TBS系)、『シルシルミシル』(テレビ朝日系)、『爆笑 大日本アカン警察』(フジテレビ系)などが挙げられるだろう。

「最近の番組は特に、VTR明けのスタジオコメント部分になると視聴率が下がってしまうんです。要は、VTRでどれだけ稼げるか。だから今のテレビって『ワイプが上手い人』が売れる時代。正直に言って、制作側が『イマイチだな』と思うVTRでも、視聴者に『これ、面白いんだな』と錯覚させるような技術を持っている人が重宝されています。ちなみに、番組宣伝でゲストに来た女優さんや、若手アイドルはろくに良いリアクションが取れないことが多い。なんとか『あぁ~』などと反応しているところを使っていますが、これはほとんどお情けですね」(テレビ局関係者)

 では、具体的にワイプの上手い人とは、どのような特徴を持っている人なのだろうか。

「フットボールアワーの後藤輝基さんは、VTRの細かい部分によく気付いてくれますね。背景とか通行人にも目を光らせて、『あの後ろのオジサン○○やん!』とツッコんだり。制作陣が気づいてないことにも触れてくれるという点では、ビビる大木さん、オードリー・若林正恭さん、バナナマン・設楽統さんも上手いと思います。『ワイプなんて、たいして映らないからいいや』というのではなく、『ちゃんとそこでも仕事しなきゃ』という意識のある人たちが求められています」(番組ディレクター)

 一方で、ワイプで活躍しているのは芸人だけではない。少々過剰に見えるほどのリアクションが高評価をウケている元モーニング娘。の矢口真里は、ワイプタレントとして芸能界で新たなポジションを築いた。

「矢口さんは、有吉(弘行)さんから“ワイプモンスター”というあだ名をつけられただけあって、微妙なVTRにも表情豊かに反応するし、よく声も出してくれる。あと矢口さんはVTRが終わった後のコメントも上手いんです。単にオーバーにリアクションをとるだけではなく、気を抜かずにVTRを見てくれているんだなと感じますね」(同)

 中にはワイプについて「邪魔」「必要ない」と嫌悪感を抱く視聴者も存在するが、作り手側にとってワイプ芸人は、視聴者の興味を惹きつけるための演出の1つなのだろう。今後のテレビ業界では“ワイプ芸”を身につけたタレントが生き残る時代なのかもしれない。

最終更新:2014/02/12 15:18
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