サイゾーウーマン芸能女性タレント森光子さんの晩年秘話 芸能 石川敏男の芸能デスクレポート 晩年の森光子さん「カメラの前では明るく」の裏で見せた一瞬の気弱さ 2012/12/20 19:00 森光子訃報森繁久弥 最も苦労人でもあった大女優さんです 名優・森繁久弥さん(享年96)が亡くなった同じ11月10日に、この世を去った女優・森光子さん。享年92歳だった。カメラの前で、あえてよぼよぼの姿を見せてくれていた森繁さんと、カメラの前では、しゃんとした姿しか見せなかった森さん。男と女の違いを抜きにしても、やはりまったく逆の“役者観”を持っていたのかもしれない。 森さんを最後に取材したのは2008年の夏。森さんが、記念写真を見せながらご自身の半生を語るというトークショー。客席の後方から、歌いながら会場入りし、ステージでは軽快にユーモアを交えて生い立ちを話していた。知らなかった話も多く、「へぇ、そうなんだ」と、感動した。 ショー終了後に、話を聞かせていただく約束だった。カメラのセッティングの間に、「いよいよ来年4月の舞台で『放浪記』が、2,000回を超えますね」と話しかけたら、森さんから思わぬ回答が返ってきた。「石川さん、ホントに2,000回できると思ってらっしゃいますか」と。ビックリした。さっきまでステージで、楽しそうにトークを交わしていたのに……と。私は、『放浪記』の2,000回にプレッシャーを感じているんだ、と思った。その時は知らなかったが、数カ月前にマネジャーを務めていた実の妹さんが亡くなり、森さんはすっかり気弱になっていたようだ。 取材は、読売テレビが後援する、10月のフェスティバルホールでの『放浪記』の事前宣伝だった。私の目に、一瞬だけ気弱に映った森さんだったが、カメラが回りだすと、いつもの元気で明るく、お茶目な森さんに戻っていたから不思議だった。すごい人だ。しかし、この時の舞台から、『放浪記』の名物になっていた“でんぐり返し”は行っていない。 森さんの女優人生は、芝居に取り組む多くの役者に夢と希望を与えた。14歳で女優デビュー。主役の座をつかんだのは41歳。27年間も脇役を続けて芸を磨いた森さん。街中でスカウトされて、あっという間に有名人になってしまうタレントもいるが、森さんのような女優もいる。芸能界だけでなく、その場にとどまることで、その場で鍛錬を続けることで未来が開けると教えてくれた人。謙虚で、頑張り屋さんだった森さんの四十九日が過ぎたばかりである。 石川敏男(いしかわ・としお) 昭和21年11月10日生まれ。東京都出身。『ザ・ワイド』(日本テレビ系)の芸能デスク兼芸能リポーターとして活躍、現在は読売テレビ『す・またん』に出演中。 松竹宣伝部、『女性セブン』(小学館)『週刊女性』(主婦と生活社)の芸能記者から芸能レポーターへと転身。 最終更新:2012/12/20 19:00 Amazon 『放浪記DVD-BOX』 でも、2,000回達成した光子さんは、やっぱりすごい人 関連記事 追悼・森光子さん “ジャニーズのお母さん”としてのマル秘エピソード森光子さんの葬儀にジャニーズファンが「うちわ持ってジャニ目当て」?森光子さん訃報に際し、ジャニーズ事務所がコメントを出せなかったワケ橋田壽賀子はポスト森光子? 橋田ファミリーとジャニーズの蜜月森光子の上演2,000回達成舞台にジャニーズが集合し、ファン暴走! 次の記事 実は視聴率を稼げない嵐!? >