警察署に強盗、マリファナを盗まれたと通報! 米おバカニュース2012
おバカ事件の宝庫と呼ばれるアメリカ。『ダークナイト ライジング』上映中の映画館や、ニューヨークのエンパイアステートビル前で銃乱射事件が起きたりと、世界を震撼させた事件も多々あったが、その裏では全米を脱力させたマヌケな事件が次から次へと発生していたのである。今回は、アメリカで2012年に起こった「B級おバカニュースベスト5」を独断でリストアップし、紹介したい。
■第5位 警察署で強盗しようとした少年
テキサス州の北部に位置するダラスのウィルマー警察署に5月5日深夜、白いタオルで手を覆った少年が意気揚々と入ってきた。ロビーを通り抜けて受付窓口に直行した少年は、担当の女性警官に向かって押し殺した声で「金を全部出せ」と脅し、「オレが銃を持ってるの、わかってんだろ」とタオルをかぶせた手をちらつかせた。イキがる少年に呆れ返りつつも、女性警官は速攻で少年を取り押さえ、「拳銃を持っているかもしれない」と大声で応援を求めた。これを聞いた警官がやって来て、少年はものの数秒で逮捕されてしまった。
警察署で御用となった少年の名はキーサン・マニュエル、18歳。調書で偽名を使っていたという彼は「逮捕状を見せてほしい」と偉そうな態度をとったり、「銃を持ってるなんて脅してない。実際に持ってないじゃないか。てか、これはジョークだよ。よくある冗談じゃないか。なにマジになってんだよ」と反抗的な態度をとり、反省の色はまるでなし。
「時々“世界一マヌケな犯罪者”というニュースを耳にするが、まさか自分たちの町で起こるとは夢にも思っていなかった」とコメントした警察署長は、キーサンを強盗罪で起訴。憮然とした表情を浮かべる彼のマグショットを全米に向けて公開した。
■第4位 勝新太郎越え! ○○にコカインを隠した女
9月23日の朝、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に、南アフリカ・ガイアナのジョージタウン発のカリビアン航空526便が到着した。定期的な見回りを行っていた米国税関・国境警備局(CBP)の捜査官は、この便から降り立ったキアナ・ハウエルが税関のチェックポイントで、異常なまでに落ち着きを失っているのに気が付いた。近づいてみると、彼女は今にも気絶しそうなほど大量の汗をかいていたという。しかし、CBPの目を最も引いたのは不自然なまでにもっこりしている彼女の頭部だった。
キアナは「ウィッグなんです。長い地毛を丸めてウィッグの下に入れたから……」と必死に説明したが、上から触ったところ違和感があったため、CBPは厳しく問い詰めた。すると彼女は「実は、パッケージをウィッグと地毛の間に縫い込んでいる」と白状。空港内の医務室で抜糸したところ大きなパッケージが発見され、検査の結果、1キロ近いコカインが入っていることが判明した。キアナは「7,500ドル(約61万円)で運ぶのを引き受けたが、中身は知らなかった」と主張していると報じられた。
実はキアナだけでなく、同便に搭乗していたマケバ・グラハムという女性もCBPの取り調べを受けた。彼女の場合、キアナよりもさらに頭のてっぺんがもっこりしており、誰の目から見ても何かを隠していることがバレバレだったという。抜糸され出てきたパッケージからは1キロを優に超えるコカインが見つかったと伝えられている。2人はすぐに逮捕され、翌24日、麻薬密輸罪で刑事告発された。CBPは盲点をついた新しい手口の密輸方法だとして、警戒を強めている。
■第3位 泥棒に大麻を盗まれたと通報する男
4月30日、ワシントンD.C.に隣接するメリーランド州プリンスジョージ郡に住む男性が、泥棒に入られたと911通報した。男性は就寝中に覆面を被った3人の男に銃を突き付けられ、金目の物を出せと脅されたとのこと。「奴らはオレのドラッグと家賃のためのお金を奪って逃げたんだ」と、ため息まじりに警察に訴えた。
アメリカでは本人が録音されていると了承している会話は、一般に公開することができる。警察は「シラフでドラッグを盗まれたと真面目に通報する人は、かなりレア」だとして通報時の会話を公開。男性が何よりもマリファナを盗られたことに腹を立てている様子を全米に晒した。
メリーランド大の学生だとも伝えられているこの男性は、大麻と現金500~600ドル(約4万~5万円)のほか、ノートパソコン、携帯、友人と共用していたホンダCR-Vを盗まれたとのこと。かなりの量の大麻が盗られたものと見られているが、警察は所持していない男性を逮捕することはできず、訴えに基いて盗難届を作成することしかできなかったという。
薬物大国アメリカらしいマヌケなニュースだが、他にも「40ドル(約3,300円)でコカインを買ったのに、砂糖だった! 騙された!」と通報した女性が逮捕される、という救いようのないニュースも報じられ全米を脱力させている。
■第2位 警官にピンクのバイブで抵抗した女がハラスメント罪で逮捕
4月25日午前3時、ニューヨークのステイト・ストリートにあるアパートの4階から、「招かざる客が酔っ払った状態で家に居座っているので、助けてほしい」という通報が入った。すぐに最寄りのウォータータウン警察署の警官が駆けつけたのだが、招かざる客である47歳のリサ・アンダーソンは、連行される際、警官にピンクのバイブレーターを投げつけ抵抗。暴行罪ではなく、ハラスメントの罪で逮捕された。幸い、バイブ攻撃された警官にけがはなかったという。
警察の調書によると、凶器に使われたバイブは長さ約30cmと、かなり立派なものだったとのこと。バイブは見事、警官のおでこに命中したとも記されていた。
ちなみに似たような事件が2年前にイリノイ州で発生しているのだが、この時逮捕された56歳の女性が凶器に使ったのは、ナイロン製のハーネスが付いた15cmのバイブだったと報じられている。
■第1位 図書館で女児のつま先を舐めた男、オバマ大統領に仕組まれたと激怒
ニューヨーク州のオンタリオ湖岸に位置するロチェスターで7月16日、49歳のアンソニー・パッリが性的虐待と児童保護法違反の罪で逮捕、起訴された。裁判所に提出された起訴状によると、アンソニーは地元の図書館で女児2名の靴を脱がせ、生足を自分の鼻や唇に押し付けたのだという。うっとりとした表情を浮かべながら娘の足を舐めるアンソニーを目撃した被害者の母親からの知らせを聞き、図書館職員はすぐに警察に通報。アンソニーは図書館から出たところを逮捕された。
アンソニーは性的欲求を満たすため、女児の足の匂いをかいだり舐めたりしたとみられているのだが、逮捕後は一貫して「オバマ大統領にハメられた」と無罪を主張。取材に訪れた地元テレビ局のカメラに向かって、「オレはハメられたんだ。バラク・オバマ大統領と市、連邦政府にハメられた」「オレの両親はここで殺された。叔父もこの市で殺された。仕組まれたんだ。(スーパーチェーン店)ウェグマンズでオレを尾行するようにと女を送り込んだのだ!」と、厳しい表情で訴え、仰天ニュースとして全米に報じられた。
アンソニーには、1980年代に殺人未遂と暴行罪で有罪になっている前科があると伝えられており、刑務所に戻るのが嫌なため、意味不明なことを言っているのではないかとの見解を示すメディアもあるが、本人は大真面目でオバマ大統領と政府に仕組まれた逮捕劇だと信じきっているとのこと。ロチェスター近郊のピッツフォードやブライトンでも、5~10歳の女児のつま先など足が舐められる「連続足ナメ事件」が多発しており、アンソニーに余罪がないかどうか、警察は慎重に捜査を続けている。