団体の活動資金に追及の手も

セレブが賛同した活動家の裸体奇行に、まさかの黒魔術説が浮上!?

2012/03/27 11:45

　世界中で話題沸騰中のキャンペーン『KONY 2012』の火付け役であり、人々から英雄視されていた映像作家のジェイソン・ラッセルが、サンディエゴの閑静な住宅街で全裸になり大騒ぎした挙句、マスターベーションをしたとして逮捕されたのは15日のこと。正義を訴える男の突然の卑猥な行動は、世間に大きな衝撃を与えたが、なんとジェイソンは黒魔術にかけられたのだというオカルト説が飛び出している。

　ウガンダ共和国の反政府ゲリラ「神の抵抗軍」のリーダー、ジョゼフ・コニーは、略奪、大量殺人、強姦を繰り返すよう指示しただけでなく、幼い子どもたちを誘拐し少年兵として働かせたり、少女たちを性の奴隷にしたりと、極悪非道を絵に描いたような人物である。2005年に国際刑事裁判所から、人道に対する罪で逮捕状が出ているが、逃げ回っており逮捕には至っていない。このジョゼフを2012年内に逮捕しようというスローガンを掲げ制作されたキャンペーン動画『KONY 2012』は、リアーナやアンジェリーナ・ジョリー、ジョージ・クルーニーやオプラ・ウィンフリーなど大物セレブたちの賛同を受け、YouTubeに掲載された動画は全世界で視聴された。

　『KONY 2012』の動画を制作したのは、非営利団体「インビジブル・チルドレン」であり、設立者のジェイソンは動画にも出演。コニーがどれだけ悪逆無道な人物なのかを熱く訴え、彼の名と顔は全世界に知られるようになった。こうして、「一日も早くコニーを逮捕しろ！」という声が世界中で高まるようになったのだが、今回ジェイソンが奇行に走り逮捕されたことにより、一気にトーンダウンしてきている。全裸で叫びまくり、セックスを連想させるような仕草をしている動画がインターネット上に流出したことで、ジェイソンは一夜にして“ヒーロー”から“頭のいかれたストリーキング”に堕ちてしまった。

　まるでギャグのような奇妙な出来事であるが、これはすべてコニーが仕組んだことだと言いだす者が現れた。コニーはヴードゥー魔術のマスターであり、ジェイソンに呪いをかけたのだというのだ。

　米芸能ゴシップサイト「TMZ」は、子どものころにコニーの軍隊に4回も誘拐され少年兵として働かされたリチャード・アケナに取材をすることに成功。リチャードは、「コニーに捕らわれた人々は黒魔術がかけられ、悪魔に支配されてしまう」と述べ、コニーはヴードゥー魔術を自由巧みに使うことができると明かした。

　コニーはまた、人々を操るためだけでなく、アフリカにいる敵の目的達成を防ぐためにヴードゥー魔術を使うことがあったとも証言。「コニーがジェイソンにヴードゥー魔術をかけ、裸の暴挙を引き起こしたのだと信じている」と言い、「コニーの仕業だ」と断言した。

　カリブ海の島国などで信仰されているヴードゥー（ブードゥー）教は、アフリカ起源の民間信仰が基になっているとされており、魔術を行うことでも知られている。魂の抜けた死体に術をかけてコントロールし奴隷として働かせる、いわゆる“ゾンビ”もヴードゥーの司祭が施術したもの。また、願いを叶えてくれるというヴードゥー人形などでも知られ、人を呪い殺すことも不可能ではないともいわれている。

　ジェイソンは逮捕後、ブリトニー・スピアーズも世話になった「5150処置」が適用され、強制入院させられた。警察から危険な人物だと見なされ、精神的な鑑定・治療を受けることになったのだが、その結果「短期反応性精神病」だと診断。今後数週間にわたり入院治療を受けることになったと発表されている。ジェイソンの家族は「今回のことは、アルコールやドラッグが引き起こしたものではない」と強調し、「極度の疲労、プレッシャー、脱水症状により引き起こされた」「短期反応性精神病という病は、我々にとっては聞きなれないものであるが、医師は、ジェイソンのような状況下に置かれるとよく発症する病だとしている」と発表している。

　実はジェイソン率いる「インビジブル・チルドレン」に対して、「胡散臭い」という声も多くあがっている。多額の寄付金を集めるものの、ウガンダのためにはあまり当てられておらず、ほとんどがスタッフの給与や活動費用などに費やされているというのだ。『KONY 2012』を見た者全員が、彼らの活動に賛同しているわけではないのである。厳しい追及も受けており、それが多大なるストレスを与えたことは間違いないだろう。

　バリカンで自ら剃髪したブリトニーのメルトダウンも衝撃だったが、ジェイソンの全裸メルトダウンも、間近で撮影された動画があるだけに、かなりのインパクトを世間に与えた。元少年兵が言う通り、ジェイソンの奇行はコニーの黒魔術によるものなのだろうか。オカルト味を帯びてきたこの騒動から、当分目が離せそうにない。