織田裕二が私生活を隠すほどに深まる、「ゲイタウンに不動産」情報の味わい
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎UZ、ギャップの魅力
「役者は私生活がわからない方がいい」か。カッチョい~。高倉健か。何か織田裕二と高倉健って、共通項が多い気がする。どこがどうとビシっと指摘するのは憚られるが。しかし、高倉健からは香る「ストイック」の佇まいは、織田裕二からは感じられず。「自己都合による隠蔽」って印象しかないけど。
最近、織田裕二が『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)のパロディ風CMやってるんだが、もう随分と「ラブシーンを演じる織田裕二」というものを見ておらず、見ない間に我々は、そりゃもういろんな情報を得てしまっているので、いまいち「パロディ」に見えず。シニカルつーか何つーか。しかしノリノリで演じている織田本人を見ていると、「最終学歴・ピッツバーグ大学日本校」「山本高広のモノマネ」「を嫌って山本を事実上抹殺」「変な結婚」「サンフランシスコのゲイタウンに不動産」などの、お楽しみ情報を踏まえた上で見ている織田ちゃんとしてではなく、こう『東京ラブストーリー』から一本に続いた、栄光の架け橋の真ん中を、堂々と歩いてんだろうなあ、の感しきり。ま、ビクビク歩かれてもアレだけど。
プライベートを売ることしか存在意義のないような、有象無象のタレントだらけの今の芸能界で、あえて「プライベートは出しません」とクギを打ってしまうというのは、「大物感」が出て、手法としてアリだと思う。しかし、織田ちゃんの思う額面通りに、こちらは受け取ってはいない。そのギャップというか、温度差のようなものを味わうために、我々は織田裕二を眺めている一面もあるわけだ。ってことはアレか。一周回って「プライベートを売っている」ことになるのか。ワケわからんが、とりあえず、これからもみんなで、織田ちゃんを見つめていくことに変わりはない。「羨望」というより「衆人環視」に近い意味で。ただ、見ているだけ。
◎代打・インパルス板倉
何かと話題のはるかぜちゃん(春名風花)。先日『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系)に出てるのを見たが。むぅ。もっとカワユ~イ感じのイメージを勝手に抱いてたのだが。こおゆう子かぁ。インパルスの板倉俊之みたい。雰囲気や声色も、板倉がコントで演じるキャラっぽいし。
しかしなぁ。はるかぜちゃんも番組選ばなきゃ。ほかの凡百の子役とは違う賢さ、大人っぽさ、繊細な感性のようなものをウリにするなら、ほかに番組もっといろいろあっただろうに、なぜ『ナイナイアンサー』を選ぶ。なんか「はるかぜちゃんバッシング派」が飛びつきそうな要素が、撒き餌のように無防備にばら撒かれてて、見ててヒヤヒヤもんであった。こういう感じで行くなら、いっそのこと『有吉ジャポン』(TBS系)かなんかに出た方が、傷が浅かったと思うのだが。
って、勝手に大ケガと決めつけているわけだが。私の目に映ったはるかぜちゃんは、もう血まみれ。また治りも遅そうなんである。若いのに。
◎大丈夫、タッキーから貰えるよ
先週、森光子訃報に触れた。その後フジとTBSで追悼番組やったんだが。どっちにもヒガシ(東山紀之)が出てなかった。ヒガシどころか、ジャニーズは1人も出ず。ゆかりの人つって座ってたゲストが、石田純一と大地真央。ひでぇ話だ。
そりゃ、生前一筆かわしたわけじゃないだろうけど。ジャニーズ側も森光子側も、「生臭さ」みたいなものを嫌って、利害が一致した結果ってことなのかもしれないけど。それにしても、石田純一と大地真央ってこたぁねえだろ、と詰め寄りたくなる不完全燃焼。ここまで「なかったこと」にするのって、不謹慎レベルで故人に失礼だと思うのだが。
しかし事務所はともかく、ジャニーズの所属タレントで、森光子からのお年玉を楽しみにしてた子は多いと思う。「せめて年明けだったら……!」という悲鳴が聞こえてきそうなこの年の瀬。と、森光子の頑張りを称えるつもりが、私の方がどんどん不謹慎になっているのはなぜだ。……2週にわたり、森光子さんのご冥福を、心よりお祈り致します。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。