ADいじめで仕事減の松居直美、一方で「NO」と言えない芸能人も問題に
小林麻耶のブログ告白から、局内の「いじめ」が取り沙汰されているが、実際にテレビ局の各現場では、スタッフやタレントによるいじめが日常茶飯事と化しているという。こういったいじめが横行していること自体大問題だが、芸能界では、タレントがテレビ局スタッフをいじめるという行為は、「いじめた側にいつか大きな悪影響が出る」として、タブー視されている。
タレントによるスタッフいじめといえば、国生さゆりのADいじめが有名だ。おニャン子クラブ時代の国生は、気に入らないことがあるとADに対して蹴りを入れたり、コップを投げつけたりと、やりたい放題だったという。しかし、ADたちが出世する時期になって、「国生とは仕事をしたくない」という声が各局から上がってしまい、国生は20代後半の時期は仕事が激減したと、自らの口で語っていた。
「制作会社ならまだしも、局本体のADというのは、その後、必ず出世するもの。彼らがディレクターになり、やがてはプロデューサーになった暁に、いじめをしていたタレントは必ずしっぺ返しを食うハメになるんです。芸能界には、『局本体のスタッフは、どんな若手でも絶対に軽く見てはいけない。彼らは必ず出世するのだから』という常識が存在するほどです」(広告代理店関係者)
そして中には、実際にいじめを繰り返すうちに、本当にどこからも声がかからなくなったタレントも存在する。
「80年代、ものまね番組で大ブレークした松居直美です。アイドル歌手上がりのタレントということもあってか、プロデューサークラスのスタッフ以外には、完全にバカにするような態度を取り続けていたんです。そのため、90年代半ば頃からオファーは激減し、現在レギュラーはフジの『はやく起きた朝は…』とテレビ朝日の『いきなり!黄金伝説。』のみで、あとは単発番組のオファーが入るかどうかという状態。彼女は03年に離婚した頃に“芸能界の実力者”から大説教を受けて、現在は腰が低く評判も悪くないのですが、態度を改めるのが少し遅かったですね」(芸能プロ関係者)
しかし一方で、タレント側が「例えADでも、スタッフに逆らうべからず」と、ムチャな要求に応えてしまうことも問題視されている。
「今年、芸能人の収録中のケガが続発したのも、このような背景があるからでは……といわれています。スギちゃんがケガをした際、友近が、『局の人もムチャさせちゃダメだと思う』『(タレント側も)自分は大事にしてほしいし、これは無理だなって思ったら言っていってほしい』と語っていましたが、特に若手だと、局側に『NO』と言いづらいのも現状です」(芸能ライター)
そんな中、ある大物芸人がスタッフの要求に対し「絶対にやらない」と強く表明したとして、テレビ業界内で話題になった。
「ホンジャマカ・石塚英彦です。流氷の企画については、どうやっても首を縦に振らなかったそうですよ。番組のADは、それこそ土下座する勢いでお願いし続けていたのですが、『そんなに言うなら、絶対に安全かどうかを保証しろ。お前、水の中に飛び込め』と言いだしたんだとか。現在、ディレクターになったそのADは、『自分の番組ではどんなことがあっても、石塚だけは絶対に使わない』と断言しているようですが、危険性を度外視したスタッフ側への石塚の言い分は、もっともだという声もあります」(テレビ局関係者)
スタッフいじめが原因で干されるタレントもいれば、スタッフに「NO」と言えずにケガをしてしまうタレントもいる。タレントとスタッフ双方がよりよい関係で番組作りをしていけるよう、テレビ局は今一度考え直さなければいけないだろう。