サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー赤ちゃん50人分のうんちが並ぶ! カルチャー [女性誌速攻レビュー]「ひよこクラブ」11月号 「ひよこクラブ」の荒ぶるレイアウト! 50人の赤ちゃんとうんちを並べる 2012/10/29 16:00 女性誌速攻レビューひよこクラブ 「ひよこクラブ」2012年11月号(ベネッセコーポレーション) 今月の「ひよこクラブ」は、「赤ちゃん50人の健康うんち大公開」特集が話題になっています。「健康のバロメーターの一つであるうんち、だけど他の子のうんちを見る機会はない。そこで50人の赤ちゃんの健康なうんちを大公開。参考にしてね」という主旨の記事で、見開きページに50人の赤ちゃんが出したうんちの写真(広げた使用済みおむつを激写したもの)がギッチリ整然と並んでいます。その横には、出した赤ちゃん本人の顔写真が配置されているという、かなりショッキングな誌面展開! 卒業アルバムの顔写真の横にそれぞれが出した大便画像が載っているみたいな感じですよ! 保健所の冊子とかに、「健康なうんち」の写真が参考として載ってますけど、「このうんちは私がしました」みたいに顔写真までは載ってないんですよ。「顔写真いらなくね?」「さすがにひいたw」「うんちばかり見てたら吐き気がしてきた」など、全国のママたちがその動揺をネット上につづっています! 普段はおしとやかなのによくわからないポイントで突然生々しく語り出しみんなを驚かす「ひよこクラブ」、7カ月の女児をもつママライターが読んでいきます! <トピック> ◎赤ちゃん50人の健康うんち大公開 ◎完全母乳への道 ◎実家依存症になっていませんか? ■母乳、母乳、つれぇーわ! 赤ちゃんを育てるのに必要なのは母乳か粉ミルクなんですが、粉ミルクだけ与えるのを「ミルク育児」、母乳が足りない分を粉ミルクで補うのを「混合育児」、そして母乳だけ与えるのを「完全母乳育児」と呼びます。赤ちゃんとママの健康にも心身の発達にも便利さでも、粉ミルクよりも母乳がいいとされているので、「完全母乳育児」が一番良い、できるだけ目指すべき、という傾向が最近の育児界では普通になっています。 「ひよこクラブ」も「完全母乳」特集を組んで絶賛激推し中なんですが、「混合ママも4ヶ月までなら完全母乳にできる!!」とか、「やっぱり母乳で育てたい!!」とか書いてあってツライ! 「ミルク育児」をしちゃってる私はこういう特集が超ツライんですよ! 私はもともと混合育児をしていたのですが、4カ月ごろから気づいたら完全にミルクだけになっていました。赤ちゃんの健康状態も良好だし、不便さも感じなかったので気にしてなかったのですが、雑誌やネットは「完全母乳をめざしましょう」という話ばかりで、ミルク育児のママの話がまったく出てきません。いつしか「ミルク育児(=最悪の育児方法!?)をしてるのは私だけ……」という妄想が脳に定着して、「母乳じゃないと、赤ちゃんの発育に超ヤバイ、どうしよう」という不安でいっぱいになり、母乳が出なくなって2~3カ月ほどは、ミルク育児になってしまったことを、夫以外の誰にも言えませんでした。 ネットで「ミルク育児」をしている人を探しても、相談掲示板で「ミルク育児してる人、いますか?」「私もです……」のようなひっそりした空気。「母乳が出ないなんて母親失格、と泣き続けていましたが、夫が励ましてくれて孤独な苦しみから解放されました」とシリアスだったり、「引け目を感じることはありません!」とけたたましく励まし合っていたり、みんなも罪悪感たっぷり状態! しかしこのミルク育児の哀しみが癒える箇所が今月号の「ひよこクラブ」にはありました! 意外にも先述の「健康うんち大公開」のページです。50人の赤ちゃんそれぞれ、完全母乳か混合かミルク育児かが表記されているのです。0歳児44人中、8人がミルク育児でした。数字で見ると少なく感じますが、顔写真入りなのでその元気さが伝わってきて、「ああ、ミルク育児の人、普通にいっぱいいるじゃん!」と思えました。「ひよこクラブ」で心が癒えたの初めてです! ■矢田亜希子も押尾逮捕当時、自分の母親と同居してたんだよね! 今月号でもう1つ癒やされた記事は、「実家依存症になっていませんか?」特集です。最近話題になっている「母娘密着問題」を、「ひよこクラブ」も取り上げたようです。あまりにも実家とつながりが強すぎると「自分&実両親vs夫」という構図になり、パパの居場所がなくなって、離婚に発展することもあるそう。 「あなたの実家依存度チェックChart」はYES・NOで答えるのですが、依存度が一番高い「レベルD」は「重度の『女マザコン』かも…!?」と書いてありますが、一番低い「レベルA」は「実家はほどよい距離感で家事も育児もわが道を行く。パパ・赤ちゃんと、確固とした家庭を築けそう」とのこと。私は実両親と一方的に絶縁し没交渉状態のため、赤ちゃんは一度しか会わせたことがないので結果は「レベルA」! 本来「親不孝者」な感じなのに、絶縁していることを初めて誉められたような気がしました! さらに読者ママの「実家依存事情」に対し、「ひよこクラブ」がレベル判定。「生活用品等、ばあばが買ってくれて、とても助かっています」「ほとんど実家で生活しています」「パパも『実家に行ってもいい』と言ってくれます」というママには「レベルD」判定を下し、「夫婦だけになったとき自立できますか?」「自立する大切さに気づくことが大事」「パパは本心を言わないことが多いので注意」と辛らつなアドバイス。しかし「頼りすぎてしまうので、なるべく実家には行かないようにしています」「パパとの時間が減るのはデメリットだと思います」というママには「レベルA」を与え、「考え方がすばらしい」「いちばん大切なものがなんなのか分かっています」「パパを支えにしているのが微笑ましいです」と超ベタ誉め! ほんのり気分がよくなるという、今までの「ひよこクラブ」にはなかった読後感を味わいました! ただ、「ひよこクラブ」のことだから、再来月あたりには「実家と仲良くしてトクしちゃお♪」なんて特集を組んで、実家と距離をおいてるママに、「ばあばたちが寂しがっています。意地を張らないで頼りにしてあげて」とか言いそうだけど。 今月もいろんな方向にぶっ飛ばしていた「ひよこクラブ」。それにしても、自分の母親(実母)のことを「実ばあば」と表記してるのが驚きました。義母のことは「義ばあば」と言うんでしょうか。曾祖父のことは「ひいじいじ」と言うから、夫のは「義ひいじいじ」になるんでしょうか。発音してみると「ギヒィ~、じいじ」ってなんか、おどろおどろしいですね! (田房永子) 最終更新:2012/10/29 17:23 Amazon 「ひよこクラブ」 「赤ちゃんのうんちを汚いと思うなんて!」と踏み絵になってるよね? 関連記事 「ひよこクラブ」よ、夫を“勃てる”ことより、夫への興味の消失の原因を教えてくれ!遅寝・遅起きは「キレやすい子」に!? 「ひよこクラブ」が朝活ベビーをゴリ押し百戦錬磨の「ひよこクラブ」でさえ、“ながら授乳”は「赤ちゃんが寂しいかも」トンチ回答で何の解決にもならない、「ひよこクラブ」のセックスレス特集真面目・無難も行き過ぎた!? 読者の子育て相談に「ひよこクラブ」が迷回答 次の記事 閉鎖的な商店街で育った女達の行く末 >