コラム
[連載]少年アヤちゃんの「イケメン紀行」

美しすぎたせい!? 綾野剛のカルチャー自意識がイタすぎて可愛い!

2012/09/08 17:00
「月刊MEN 綾野剛」(ポニーキャニ
オン)

有名無名、年齢、国籍関係なしに、あらゆる「男子」に恋焦がれ、過剰なまでに愛でまくってはまた次へ――終わらない探求の道中でみつけた「男子」の魅力を少年アヤちゃんが語る! 異常性欲を振りかざし、あらゆる男子を消費します☆

 背伸び萌えってあると思うんです。男の子が、意地だか見栄だかプライドだかを原動力にして、ググーーッと思い切り背伸びしている様子に萌えるというジャンル。これには絶妙なバランス感覚が必要で、少しでも現実的な方向に傾くと「げ、なにコイツ虚勢張ってんのぉ?イタ」となってしまい、そんな彼を愛していた自分ごと嫌いになってしまう……という諸刃の剣なアレなのですが、そんなリスキーなアレを、今一番味あわせてくれるイケメンが、綾野剛君だと思います(はあと)。

 昨年のNHKドラマ『カーネーション』への出演をきっかけに注目を集め、一気にメディア露出の増えた綾野君。印象的な切れ長の目と凛とした佇まいは、それだけでお腹いっぱいになれるほど詩的で、「イケメン」などと気軽に称したらバチが当たりそうな凄みすら感じます。とにかく美しい! 美しいですが、個人的なツボとしてはそこがメインではなく、先程も述べたように、彼のする、一生懸命な背伸びがめちゃくちゃ可愛いのです。

 ではまず、そもそも剛君が、自分の美しさに気が付いたのはいつ頃だったのでしょうか。中高校時代、陸上部でガンガン賞を取りまくっていた時? それよりもっと前? ……わかりません。わかりませんが、それに気付いた瞬間、

「俺は……美しい!」

 という美衝撃が彼を襲った事は間違いありません。だって本当に美しいんですもの! 調子に乗った彼は高校卒業後、なんと行くあても志もないままま、いきなり渋谷をめがけて上京します。なぜ渋谷だったのか? と聞かれたら、

「そこしか目指す場所が無かった」(「月刊MEN綾野剛」付属DVD)

 そうで(なんで???)、気が付くと都会の真ん中でバンドを組み、カメラにも手を出し、その上バイトも長続きせず、劣等感から彼女にも冷たくあたってしまう……というような、田舎者丸出しのサゲチン男に成り果てていたそうです。己の美しさに甘えていたんですね。

 しかし、底辺を這いずっていた彼を救ったのもまた、美しさでした。なんと徐々に、ファッション関係のモデル仕事が入り始めたのです。その後はあっという間に俳優としてドラマ(テレビ朝日系『仮面ライダー555』)に引き抜かれ……と、見事なまでの快進撃が続きます。彼はどんなに感謝したことでしょう。そしてこう思ったに違いありません。

「俺、この美しさに感謝しよう! この美しさに見合った男になろう!」

 そこから彼の、容姿と中身のギャップを埋めるための壮大な背伸びが始まりました。

 と、ここまでの説明が異様に長くなりましたが、とにかくその背伸びがね~~すご~く可愛いんです。ただの背伸びじゃなくて、というか普通、男の子のする背伸びって紳士ぶるとか悪ぶるとかそんな感じでしょ? だけどね、剛くんは極貧時代に渋谷でバンドカルチャーに染まり、中途半端に自意識が発達していたものだから、ちょっとしゃらくさい方向を目指してしまったのね。インタビューから抜粋すると、

「消耗してる時って、一番生きてる実感がしません?」(「SODA」)

「僕は基本的に『アンチ精神』は常に胸に灯しています。」(「premium Junon」)

「愛は愛でしか 処方できない」(「号外+act」)

 という感じ。どうですか? 一生懸命でしょ? 可愛いでしょ?けど、気を抜くと「痛っ、かゆっ、しゃらくさっ!」と全然別の方角に倒れそうになるでしょ? この危うさこそが、彼の真骨頂なのかな、と思うんです。バランス感覚がいる感じ。ハラハラする感じ。そして何より、痛いしかゆいししゃらくさいのに、それをプラスに好転させる事の出来るパワーを持った……顔。……ってあら? 結論が顔に戻っちゃった!

 そう、色々言い訳をしましたが、なんだかんだで剛くんの魅力は結局顔なんだと思います。だって、イケメンじゃなかったらこんな「背伸び萌え」とか、ぶっ叩かれるだけで成立しないですからね。そもそも陸上部がいきなり渋谷上陸ってなんだ? どこ走る気だよ。そんでバンド? バイトは二カ月続かない? 彼女に冷たくあたる? ダメ人間じゃねえかよ! で、いきなりモデルから俳優に二段転身? そんでそのキャラ! 痛ーーーっ!!!

 ……本当は、背伸びをする姿が可愛い(はあと)、という話がしたかったのですが、前述の通り、その背伸びを可愛いく見せているのは顔だ! という事になってしまいました。ひどすぎるでしょうか? しかし、逆に言えば、顔ひとつでそこまで蓋をさせてしまえる程の顔って、相当凄いですからね。現時点でキムタクか綾野剛かという感じでしょう。だからやっぱりここは胸を張って、ペラッペラ・けど説得力のあるイケメン俳優として王道を歩いて行ってほしいです。というか、いっそ、もっともっと痛くなってみたら? きっと剛君のレベルなら、人でも殺さない限りそうそう価値は下がらないと思うし……だからそうね、例えば出家するなんてどう? きっと似合うわよ出家。どう? 出家しちゃえば? たぶん似合うわよ出家!

少年アヤちゃん
平成元年、消費税と共に生まれたブスでニートのオカマ。サゲマンJAPAN代表。ヤフオクで生計を立てる傍ら、ブスと環境をテーマにしたトークイベントを主催。
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最終更新:2019/05/17 20:38
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