遅寝・遅起きは「キレやすい子」に!? 「ひよこクラブ」が朝活ベビーをゴリ押し
今月号の「ひよこクラブ」、巻頭インタビューは木村佳乃です。7カ月になる娘さんが愛おしくてたまらないんだそう。でも出産直後は大変で「一日中、髪の毛はボサボサ、肌はカサカサな日が続きました(笑)」。そんなとき時に助けてくれたのが「先輩ママである姉と、マネージャー」。わからないことがあるとすぐに教えてくれたそう。「近くに頼れる人がいることが、こんなにも心強い」ことを実感した佳乃。……ヒ、ヒガシは!? 夫の東山紀之のヒの字も出ぬまま、インタビューは終了! イメージ戦略でわざと出てこないんでしょうけど、もともと「家事・育児は妻任せ。鏡を見るのがオレの仕事」なイメージしかないから、マジで何もやってない印象が濃くなるだけなんですけど~。ヒガシ、育児手伝って~。
今月も「ひよこクラブ」、ヒガシ×佳乃の子と同じ学年の娘を持つライターがリアルママ目線で読んでいきます!
<トピック>
◎早寝・早起き 朝活ベビーの育て方BOOK
◎「添い乳」「添い寝」ピッタリのやり方教えます
◎「おちんちん」のトリセツ
■自分自身がキレやすい場合はどうしたらいいんですかねえ!?
最近の育児雑誌では、赤ちゃんに早寝・早起きの習慣をつけさせる「朝活」をゴリゴリに押しているんですが、「ひよこクラブ」も別冊付録で1冊にしちゃうほどの入れ込みようです。サブタイトルはズバリ「朝活ベビーは一生トクする」! 早寝・早起きで活動時間を午前中にすると、セロトニン神経がうまく作られて、いつでもシャキっと集中力バツグンなキレない子どもに育つんだとか。対して遅寝・遅起きだと、「授業中にボ~ッとしたり、眠くていつもイライラしている」子どもになって、心が成長しない、優しい子にならない、表情が乏しくなる、「私はダメだ……」と思うようになるだの、ネガティブ要素てんこもりな人生に。さらに「キレやすくなる」だの、「第二次性徴が早まって思春期の前に心は子どものまま体が大人になることでさまざまな問題が起きる」だの、「遅寝・遅起き」が諸悪の根源であるような書きっぷりです。
「キレる子」は爆発状態だけ見たら凶暴かもしれないけど、言葉で冷静に相手を支配して追い詰める人もいるし、「キレない」からといって万事良好なわけでもないはず。相手の気持ちを考えすぎて自分の気持ちを押し殺して結果キレちゃうってこともあるだろうし、「キレる子」は優しい子と言える場合もあるんじゃないですかね? それが「『朝活』すればキレない子になる=人生トクする」だなんてアンチョク&ゴーインすぎますよ! と、「ひよこクラブ」にキレつつ、でもまあ「朝活」自体はいいと思うのでやってみたんですけど、思い通りにいかなくて早速キレそうになりました!
■寝たいように寝かせてくれよ!
「アナタの今の頑張りで、赤ちゃんの人生がすべて決まる」的に追い込んできた後も、さらに「ひよこクラブ」の追い込みは続きます。今度は「添い寝、添い乳」特集です。「ひよこクラブ的『添い乳』の定義」がスゴイ。「一緒に眠るのではなく、飲み終わるのを見届けて」って。一緒に横になってるのに「寝ていいのは赤ちゃんだけ」! 「ママは赤ちゃんが飲み終わるのを見届け、赤ちゃんの姿勢を戻してあげるのが基本」とか言っちゃってますけど、赤ちゃんは固まったまま眠ったりしないし、自分で勝手にラクな姿勢になると思うんですけど……。
「正しい『添い乳』の姿勢、できてますか?」みたいに写真と一緒にチェック項目が書いてあるんですけど、赤ちゃんもママもビシーッ! と背中をまっすぐにして、おなかをくっつき合わせ、乳を吸う赤ちゃんをママが首をギューンと下に曲げて笑顔でガン見しています! 死ぬって! こんな姿勢で添い乳やってたら首がもげて死んじゃうよ! だけど、ほかの「添い乳」写真も全部、ママが首をギュンギュンに曲げて赤ちゃんをガン見してます。首がイカれちゃうってぇ! 確かに体勢は美しいです、間違って部屋に入ってきた舅にウッカリ見られてもOKな添い乳ですよ、コレは。むしろ「舅が見たい、美しい添い乳の現場」という特集で団塊世代のジジイ(育児経験なし)が集まって作った誌面ならわ分かるんですけど、「ひよこクラブ」がこんな無理な姿勢を新米ママたちに提示するなんて、ボクサーがセコンドにブン殴られてるみたいなもんですよ! 「ひよこクラブ的『添い寝』の定義」もこれまたスゴイ。「赤ちゃんのそばに寄り添って一緒に眠ること」だって。それ以外、何があるんですか!? こっちもやっぱり「舅が見たい、美しい『添い寝』」。「ひよこクラブ」編集部には団塊ジジイがいっぱいいるってことでいいですかね!?
■そのレベルの知識なら、ピロートークで勉強済みだろが!
5月号の「アソコの洗い方特集」では、おちんちんの皮のむき方や洗い方ばっかりレクチャーして、女の子のおまたについては「開いて拭く」の説明1つだけだった「ひよこクラブ」。今月号はとうとう「おちんちんのトリセツ」とか言って、女の子のおまたについてはまさかの全カットです! 「異性のだから、わからないよね」というスタンスを貫いてますけど、ぶっちゃけ他人のマンコ見たことあるママってどれくらいいるんですか? チンコの方が見た本数、圧倒的に多くないですか? つうか「見た」どころの騒ぎじゃないですよね? だからその赤ちゃんが今、アナタのもとにいるんじゃないんで・す・か!? なのになんでこんなに「おちんちんはわからない」と言い張るんですかね? 今回の「おちんちんのトリセツ」では、「赤ちゃんのころはみんな包茎だよ」とか「大人になれば皮がむけるよ(むけないこともあるよ)」とか「ママが洗ってあげるのはいつまで?(A.自分で洗えるようになるまで)」とか手取り足取り、懇切丁寧に教えてますけど、パパに聞けばいいじゃん! そういう話ができない人もいるかもしれないけど、赤ちゃんの女の子のおまただって大人とぜんぜん違うんで、イチからちゃんと教えて欲しいです!
キレまくりながら読んでしまった今月号ですが、「SHIPS」とコラボした、夏らしくてかわいいデザインの「消臭おむつポーチ」が付録でついててテンションが上がりました。これで、おでかけ先でウンチのおむつが捨てられない時も安心ですよね。しかし「使用済みの紙オムツのにおいが約2時間でほぼ無臭に!」って、2時間はにおうってことですよね? 消臭された頃には家に着いちゃいそうなんですけど……。「便利なようで、そうでもない」。「ひよこクラブ」を象徴した素晴らしい付録であります!
(田房永子)