表に出ないはずだった小林幸子・夫の経営介入話も明るみに、泥沼化する解任騒動
歌手・小林幸子(58)の社長解任劇が、再び脚光を浴びることになった。
引き金を引いたのは小林だった。突然解任された社長側の代理人から、残された任期までの約3年半分の支払いを求められた小林夫妻。すぐに弁護士事務所に駆けつけ、金銭の和解交渉に入る。話し合いの結果、代理人が算定した約9,000万円を6,000万円に減らして、元社長、元専務に支払う形で合意。しかし、これはあくまで法的解決であって、道義的・倫理的責任、感情的解決をしたわけではなかった。にもかかわらず、この弁護士、元社長、元専務、小林夫妻の5人しか知らない出来事が、一部スポーツ紙で「和解」として記事になってしまったのだ。
しかも小林側は、知人に「相手側はお金の問題ではないとのことでしたが、結局お金でした。最初に退職慰労金を提示して、そんなもの1円もいらないと拒否された金額の倍の要求でした」とメールした。ほかにも「もしかしたら、またひと騒動あるかも」「彼女たちの嘘がどんどん暴露されていくと思います」などとも綴られており、マスコミはこれを「元社長側に対する宣戦布告」と報じた。
この報道に対して小林は、週刊誌を締め出し、スポーツ紙とテレビ各局の個別会見で、「メールは、眠れない中、意識もうろうで出した」「夫は芸能界の素人、介入はない」「元社長には会いたかったが、会えなかった」「紅白に出たいし、新曲も発売したい」などと語ったのである。
翌朝、各局のワイドショーを観た元社長から、午前9時過ぎに「テレビ見ました。悔しくて、悲しくて、今日弁護士と相談しながらコメントを出します。嘘を平気で並べられることに怒りを抑えられない」と私に連絡があった。その8時間後に、元社長はコメント発表。法的解決の件は認めたが、小林の発言を否定するものだった。
中でも、小林の夫・林明男氏の経営関与については「まったく関係ない」という小林のコメントに対し、「双方の弁護士が、解決に向けて話し合いを始めた時から、林氏が同席していた」と猛反論。「当時の幸子プロモーションに、林氏の会社の社員を監視役として送り込んできた」とも述べていた。
実は3月中旬、元社長が「林さんの会社の人が監視役で事務所にいるの。怖いですよ。脅されてる感じがする」と、私に小声で訴えてきたことがあった。「内緒ですよ」と言っていたので、この出来事は表に出ない話だと思っていたが、それまでも出てきてしまった。それだけ元社長の怒りは大きいのだ。
業界関係者は「2010年、歌手の美川憲一(66)が『NHK紅白歌合戦』に落選した時、実は小林も危なかった。しかし、出場を勝ち取ってきたのが、元社長だった」と言う。
来年は小林にとって芸能生活50周年の節目だ。元社長らは「けじめとして50周年は、任せてください」と伝えたそうだが、小林側の答えは「結構です」。50周年イベントは宙に浮いてしまった。小林が言う「反省はしているけど、後悔はしていません」が、本音なのだろうか。また、「元社長らに6,000万円を払い、会社の通帳には80万円しかない」という情報も出ているが、従業員を抱える会社としては考えづらい。
泥沼化の一途をたどる今回の解任騒動。今後どんな展開を迎えるか、注目していきたい。
石川敏男(いしかわ・としお)
昭和21年11月10日生まれ。東京都出身。『ザ・ワイド』(日本テレビ系)の芸能デスク兼芸能リポーターとして活躍、現在は読売テレビ『す・またん』に出演中。 松竹宣伝部、『女性セブン』(小学館)『週刊女性』(主婦と生活社)の芸能記者から芸能レポーターへと転身。