“鉄の女”マーガレット・サッチャーの柔和な笑顔がパパラッチされる
主演女優のメリル・ストリープがアカデミー賞を獲得したことで、世界中から注目を集めている映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(フィリダ・ロイド監督)。この映画を見て、サッチャー元首相の偉大さを改めて再確認したという声は多い。2002年以降は健康的な理由から公的な場でのスピーチを行わなくなり、彼女の姿はめったに見られなくなってしまったが、先日、ロンドンの公園で日なたぼっこする姿がパパラッチされた。86歳という高齢であるが凛とした雰囲気が漂い、公園の一角で存在感を放っていた。
08年に娘キャロルが出版した回想録『ガラス張りの金魚鉢での日々』で、認知症を患っていることが公にされたサッチャー元首相だが、ロンドンの公園でパパラッチされた姿はとてもしっかりしており、現役さながらの目力も健在。今でも毎週美容院に通い手入れをしているというヘアスタイルも首相時代と変わっておらず、きれいにセットされていた。
英タブロイド紙「Mail Online」によると、この日着用していたのはお気に入りの深緑色のロングコート。薄化粧をしており、耳元には大ぶりのイヤリングをつけ、首に巻いていた黄色いスカーフもとてもよく似合っていた。手袋をはめていたが、公園で遊んでいた犬を抱き寄せるときは素手になり、愛情をこめて撫でていた。
サッチャー元首相は、ここ10年間住み込みで彼女の身のまわりの世話をしているホームヘルパーのケイトと共に、外の空気を吸うため外出していたとのこと。公園では男の子たちがサッカーをする姿を眺めたり、ケイトや公園に散歩に来ていた女性との会話を楽しんだりしていたそうだ。
現在、元首相はベルグレイヴィアにある4階建ての邸宅でケイトと一緒に暮らしている。ケイトは、料理を作ったり、身支度を手伝ったりするだけでなく、元首相にとってなんでも話すことができる大切な友人でもあるという。ほかにも、6カ月前に採用されたばかりの新しいホームヘルパー、アンと、護衛警官が側についている。
新聞を読んだり、大量に配達される手紙に目を通したり、ニュースや大好きな宗教番組『Song Of Praise』を見たり、お気に入りのイスに座りクラシカルミュージックを聞くなどして毎日を過ごしている元首相だが、時折、今回パパラッチされた公園に散歩しに来るとのこと。お気に入りのゴーリング・ホテルでランチをすることもあるそうで、今月に入ってからすぐ、20年近く個人秘書を務めたマーク・ワーシントンと会食している。ちなみにこのゴーリング・ホテルは、ロイヤルウェディング前夜に、キャサリン妃が家族と共に宿泊していた歴史あるホテルである。
保守的かつ強硬なその性格から「鉄の女」と比喩されたサッチャー元首相は、英国史上初かつ唯一の女性首相。1979年~90年まで在任し、経済の立て直しを行い英国を復興に導いた。男性ばかりの政治社会の中では浮いた存在であったが、フォークランド紛争に勝利し英国民から絶大なる支持を受けてからは、カリスマ的リーダーと呼ばれるように。3度の総選挙を見事制したが、納税能力に関係なく全国民から一定額の税金を課す人頭税の導入を提唱したことで支持率は急激に落下。90年11月22日、英国首相、保守党党首を辞職することを表明した。その後も貴族院議員を務めながら政治に関わる生活を送ってきた。
02年に軽い脳卒中を数度経験してからは公的な場でのスピーチを止めており、杖を使って歩く生活が始まった。09年6月には自宅で転倒して腕を骨折。病院に救急搬送されたが、1日入院しただけで退院している。映画でも描写されていた認知症だが、『ガラス張りの金魚鉢での日々』では、夫が03年に亡くなったことを記憶しておらず、症状のひどい日は会話をすることも難しいと説明。しかし、首相時代の話を振ると生き生きとし、当時のことをしっかりと語り出すという。
現役時代、決して弱みを見せることをしなかった鉄の女、サッチャー元首相。86歳になった今もなお、毅然とした表情をうかべ、品位と威厳を保っている。
品良く年を重ねるほうが、美魔女になるより難しいッス
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