ただの自己愛? 野田聖子の高齢出産&子育てエピソードから透けるもの
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
第105回(12/9~13発売号より)
連載している『通販生活』(カタログハウス)から福島県須賀川市の新米が送られてきた。セシウムが1ベクレルから測れる理研分析センターの「不検出」という分析結果が添えられて。玄米段階では平均2.2ベクレルだったという。「育ち盛りのお子さんのいる皆さんにはおすすめしません」「でも、60歳以上の人が(略)『よし、平均2.2ベクレルなら(1キロ当たり)食べるよ』とおっしゃっていただけるとうれしいのですが」という添え書きは、現在日本が直面している事態に対する問題提起であり、ひとつの答えだと思う。『通販生活』は先日、原発の是非についての国民投票を呼び掛けた「秋冬号」のテレビCMをテレビ朝日から放送拒否された雑誌だ。食物の放射線汚染にも果敢に取り組む会社が測定したのだから、食べようと思った。こうした信頼構築、詳細な測定、情報公開を国はしようとしない。
1位 「野田聖子『真輝、絶対いつか一緒にお家へ帰ろうね…』」(「女性自身」12月27日号)
2位「『誰もかばわない!』内柴正人容疑者のゴーマン強欲生活」(「週刊女性」1月1日号)
3位「SMAPも仰天!の緊急増刷 森且行初の公式カレンダー」(「週刊女性」1月1日号)
壮絶としかいいようがない。野田聖子議員の子ども・真輝くんの闘病人生が――。野田は今年1月、50歳という超高齢出産を果たした。しかもアメリカで第3者から卵子提供を受けての体外受精による妊娠の末だった。超法規的手段である。10年来不妊治療を続け、その総額は1千万円以上と試算する医療関係者もいるほどのセレブベイビーでもある。
しかし、生まれてきた真輝くんにはいくつもの障害があった。妊娠中に肝臓と心臓の異常が判明し、生まれてからは食道閉鎖症も見つかった。生後11カ月で7回もの手術を受けた。最初は胃に栄養を送り込むチューブの手術、次が肝臓を体内に入れる手術、食道閉鎖症の手術、心臓の手術。10月の心臓手術後は呼吸停止になり、緊急手術、気管支切開、人工呼吸器装着、さらに脳梗塞で右半身マヒ。11カ月になるのに体重は5キロに満たず、一時は17本ものチューブをつけていたというーー。他人の子どもとはいえ、あまりに忍びない。
野田の妊娠が公表された時点で多くの批判や議論があった。日本では不妊治療が認められていないほどの高齢、障害のリスク、米国での卵子提供、高額の治療費を払える特権階級、法整備の問題などなど。だが野田の「自身」告白を読むと、そんな社会的議論以前の問題ではないと思う。もちろん、一番大変な思いをしているのは野田聖子ではなくて生まれてきた真輝くんだ。生まれてからずっと集中治療室で、言葉も発せない、右半身も動かない。何度も苦しい手術をしてきた。かなり無理やりの超法規的かつ超高齢不妊治療の末に生まれてきたというのにーー。
にもかかわらず、野田の物言いの主体はあくまで「自分」である。「自身」記事にも「(野田の)出産」という言葉は乱用されているが、「(真輝くんの)誕生」という言葉はひとつもない。さらに野田は、産後に子宮を摘出し「もう1人などと考えていたが、もはや望むべくもない」と泣き濡れたこと、母乳が出ないで内出血で乳房が真っ青になったこと、「人間ってこんなに泣けるものなのか」とのエピソード、さらに子どもの人工呼吸器用のバンドを手作りするためにミシンを買ったことなど、さかんに、そして切実に自分の感情を吐露するのだ。
野田の妊娠、出産、子育てエピソードは、真輝くんが主体なのではなく、あくまで主人公は野田自身だ。「こんなに大変な思いをしてまで子育てをして頑張る自分」。しかし壮絶な戦いを強いられているのは、野田ではなく真輝くんだ。そもそも政治家という公人が特段の問題提起もなく(今回の記事はまさにそう)、感傷的にしかも恒常的に事態を公表するのはどんな意味があるのだろう。これを続ける野田の根源は、親や人間のエゴなどという生易しいものではない。はっきりいって 、”政治家のエゴ”ではないのか。
野田のこれまでの出産手記や告白記事を見続けて、これまでの違和感の正体が段々分かってきた。これは高齢出産の物語ではない。政治家のエゴ物語だと。だから野田ケースは子どもを切望する多くの不妊カップルや法整備には何の役にも立たない。一般性もない。だから不妊に悩む女性や社会的問題として捉えるのではなく、政治家の性分、自己愛、執着の強烈さとして考えるべきだと思う。
「未成年教え子学生」へのセクハラ解雇に続き、準強姦容疑で逮捕されるという衝撃の展開となった元柔道メダリストの内柴正人。「合意」という内柴の言い訳を信じてか、はたまた日本の男社会の現れか「セクハラ解雇」では一部擁護するワイドショーもあったが、逮捕という事態に至りワイドショーもすぐさま方向転換、さらにスポーツ紙、週刊誌と総力戦で、出るわ出るわ悪行の数々と相成っている。酒を飲むとすぐに女性に抱きつく、被害者は複数、3P疑惑、泥酔運転などなどーー。
「週女」でも、内柴の勤務していた九州看護福祉大学関係者や学生からの「当然のように部員の胸やお尻を触っていた」「内柴ハーレムみたい」という証言を紹介、内柴の人間性、今後示談せずに否認した場合は懲役5年の可能性などといった記事を掲載している。とはいえ内容は目新しいものはない。しかしーーあった!! 目を疑うばかりの、かなり”目新しいもの”が、そこには存在したのだ。それが記事右下に小さく掲載された写真だ。写真は全裸、フルチン姿の内柴を写しだしている。筋肉隆々の上半身、腹筋も割れている。それを誇るようにアゴを出し、腕を後ろに組む内柴。その得意そうな顔はやはり酒を飲んでいるのか、と思わせるもので、さすがキン・メダリストといった風情だ。
この写真はどこから流失したのか!? その答えは写真下のキャプションにあった。なんでも、内柴の仲間のホームページには「内柴正人写真館」なるコーナーがあり、内柴は度々裸の写真を部員に撮らせそれをアップさせていたというのだ。事件後このサイトは閉鎖されてしまったというが、この写真は内柴の「悪癖」「内面」をそのまま表現し、さらには「セクハラ」「強姦」を連想させる気分の悪くなる写真でもある。被害者が見たらPTSDが悪化するのではと心配するほどだが、週刊誌としては掲載は当然だろうという発掘写真といえる。
こうして展開される内柴への総攻撃であるが、マスコミの内柴攻撃を見ていてふと気分が悪くなった。同じ「セクハラ」にもかかわらず大マスコミが黙殺し、頬かむりしている事件が存在するからだ。それが「週刊ポスト」(小学館)がスクープした「駐クロアチア大使セクハラ事件」だ。
駐クロアチア大使・田村義雄の20代現地女性職員へのセクハラ疑惑が浮上、外務省も調査に着手、事実を把握した。しかし政府、外務省はもとより、大手マスコミもこれを黙殺しているという大スキャンダルなのだ。もちろんメダリスト内柴のセクハラは大問題だ。しかしそれ以上に日本の特命全権大使のセクハラ事件は、レベルが全く違う国家レベルの大大大スキャンダルではないのか。これを報じようともしない大マスコミーー。
警察が逮捕しお墨付きを得た内柴に対しては「池に落ちた犬は叩く」とばかりに大バッシング。一方国家レベルの大使セクハラ事件に対しては、権力に遠慮しおもねって封殺する。寄しくも同時期に発覚したセクハラ問題の明暗が、現在のメディアの病巣をあらわにしている。そんな現状を知る上でも「駐クロアチア大使セクハラ事件」を付記しておきたい。
最近やたらと森且行の名前がクローズアップされている。森のSMAP脱退以来、これほど公に名前が取り沙汰されるのは初めてのことではないか。
『中居正広の金曜日のスマたちへ 』(TBS系)『プロフェッショナル仕事の流儀』(NHK)などキー局でもSMAPメンバーが森について語り、数年後のコンサートでは森も含めた「SMAP再結成」もウワサもあるほどだ。タブーとして抹殺されてきた森の存在が徐々に表舞台に出てきている、といった感じなのである。
そしてJKAの公式カレンダーに森が初登場である。カレンダーに関して、ジャニーズ事務所とは一切連絡を取っていないというが、森の知名度にして”初”というからには、これまではジャニーズへの配慮があったに違いない。発売から1週間で1千部の注文が入り、現在緊急増刷しているのだとか。森がタブーであり幻であったが故、隠れた人気も高い。
対してSMAPである。少し前までは恒例のように「解散説」が出て話題を引っ張っていた。しかし解散説も鳴りを潜めた。解散のメリットがないからだろう。視聴率も落ちてきた。だからこそ、遂に森を引っ張り出すしかなかった。今後の話題の目玉は森復帰!! おそらく実現しないだろうが、だからこそこのネタでしばらくは引っ張れる。落ち目のSMAPの”悲しい戦略”か――。
エゴ、自己愛、醜い
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