サイゾーウーマンコラム神林広恵「女性週刊誌ぶった斬り」皇室という最大のタブーを破った、”眞子さまプライベート”写真の流出 コラム 噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第100回】 皇室という最大のタブーを破った、”眞子さまプライベート”写真の流出 2011/11/08 21:00 女性週刊誌ぶった斬り! 「女性セブン」11月17日号(小学館) 下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る! 第100回(11/4~11/8発売号より) 故マイケル・ジャクソンの専属医に有罪評決が出た。過剰に麻酔薬を投与したという過失責任が問われたものだが、アメリカでは「正義が勝った」とファンが歓喜した。が、これは果たして「正義」なのか。マイケルと彼に逆らえなかった専属医師の心の闇。どちらも、人が裁くことができない”心”だと思うのだが。 1位 「女性皇族の現実・眞子さま10人の護衛に囲まれて『20才の恋』」(「女性セブン」11月17日号) 2位「美智子さま 祝宴からの”悲嘆退出”にあった雅子さま紀子さま『凍える冷戦』」(「女性自身」11月22日号) 3位「旧名高樹沙耶 益戸育江『相棒』もエコハウスも捨てて年下イケメンと石垣島愛欲生活」(「週刊女性」11月22日号) 3位「愛菜編集長、参上!」(「女性自身」11月22日号) ■日本最大のタブー「皇室」が破られた 天皇陛下や愛子さまが相次いで入院するなど、皇室関連のニュースが続いているからか、今週の女性週刊誌3誌トップ記事は揃って皇室ものだった。皇室ものは毎号のように掲載されているが、3誌が揃ってトップ記事なのは最近では珍しい。ということで久々に皇室ものを取り上げてみた。 中でもホットな話題が「セブン」も取り上げた秋篠宮眞子さまだ。10月23日に20歳の誕生日を迎えられた眞子さまだが、大学生活のプライベート写真がネットに流出したのだ。しかもイケメン男子とのツーショット写真も存在し、テーブルにお酒が並べられた写真もあり、サークル宴会で眞子さまも飲酒したのでは? と瞬く間に大騒ぎに。もちろんネットという性格上、写真は現在でも見ることが可能で、完全削除は無理だろう。 これに対し「セブン」は、写真流失の影響から眞子さまの通う国際基督教大学の学祭は厳重警備の中行われたこと、また「(BFは)眞子さまにとって特別な存在で、心を許している男友達」として、他女性皇族たちの恋愛や紀宮さまと黒田慶樹さんとの交際事情を記している。 今回の写真流失で興味深いのは、皇室という日本最大のタブーの一端が、ネットというツールによって簡単に破られてしまったことだ。20年前だったら、都合の悪いプライベート写真が存在しても、宮内庁のガードが可能だったろうし、大マスコミも”自粛”という慣例から自己規制、これほど簡単に国民の目に晒されることはなかったはずだ。しかも眞子さまが通うのは皇室御用達・学習院大学ではなく、リベラルな校風の国際基督教大学。今どきの学生は何かあると写真を撮り、それを被写体に無許可でFacebookやブログに掲載する。肖像権やら皇室タブーなんて何のその。そんな言葉も知っちゃあいない。有名な眞子さまと友だちなんてすごいだろ、イェーイ! というノリである。芸能人の密会も合コン写真も、素人目撃者(出席者)が”写メ”やツイッターで暴露する時代である。皇室も同様の事態に晒された。 さらに興味深いのが、ネットでの書き込みでは、眞子さまを芸能人かアイドルのように扱っていることだ。しかし、こうした関心・興味の持たれ方は時代であり、また皇室にとっては悪いことではないと思う。無関心よりいいだろう。 そして2位の「自身」皇室記事である。現在、宮内庁で話題になっているのが、皇太子ご一家と秋篠宮ご一家の「亀裂を思わせる状態」「関係悪化」だという。「自身」では、その象徴として男子皇族では41年ぶりという秋篠宮家長男・悠仁さまの「着袴の儀」の内宴に皇太子一家が欠席されたことを取り上げている。愛子さまの「着袴の儀」には秋篠宮ご一家が出席されたのに、「(悠仁さまの内宴の日)皇太子ご一家は葉山御用邸でご静養の予定」であり、最初から出席するつもりがなかったというのだ。 さらに両家亀裂の最大の原因が「皇位継承の問題」と指摘する。曰く、悠仁さまは将来天皇になる可能性があるのに、帝王教育も行われていない。対して現在の皇室典範では天皇になれない愛子さまの方が皇室での待遇が上で、仕える職員の数も段違いに多い。そんなアンバランスさ、格差に対し秋篠宮ご夫妻は寂しく感じているのでは、というものだ。その上で「女系・女帝」の議論が必要だ、と指摘する。 今回ふたつの皇室記事を見て、改めて思った。女性週刊誌の取り上げる天皇記事は、高尚さを装ってはいるものの、”家族の抱える普遍的な問題”の数々である、と。嫁姑問題あり、年頃の娘の恋愛問題あり、そして兄弟間の不仲、遺産(皇位)の行方、その嫁同士の折り合いの悪さ、どっちの孫が可愛がられるか、などなど。下々の言葉に言い換えれば”よくある家庭内問題”であり、まさに女性週刊誌のお得意とする分野だ。その上で、女性週刊誌はこれらを上手に高貴に調理する。 “日本の家族の模範である天皇家”を下々にも分かりやすく描き、また興味をかき立ててくれる。今回は眞子さまの”恋バナ”という最強の武器も加わった。 こうした手法は貴重である。芸能人だろうが天皇家だろうが、お得意の分野に落とし込む。女性週刊誌は皇室を分かりやすく解説することで、タブーを徐々に薄め、開かれた皇室への一翼を担っているのだ! 今後も下々の興味を満たし、掻き立て続けて欲しい。 何の意図があってーー。「自身」巻頭グラビアで芦田愛菜ちゃんが独占登場している。「一日編集長」だって。愛菜人気にあやかりたいからか、「自身」は愛菜ちゃんを頻繁に持ち上げ続けている。イベントや発表ものに足しげく通い、誌面で紹介する、愛菜ちゃん特集も組んだ、表紙にもした。もうネタがないから、一日編集長! って愛菜ちゃんがこの仕事をよく引き受けたものだと不思議にさえ思う。ギャラ弾んだのか? しかも午前中で、誰もいない編集部。愛菜ちゃんだけが撮影に挑んだ。でもそれだけ。しかも、ちょっと前の作家・白石一文のツイッターにはこんな記述が。 「昨日訪ねて来てくれた光文社の担当二人は、芦田愛菜ちゃんの存在を知らず<略>(唖然)」 そんな光文社の編集者が立てた、意味不明の企画でした。 『サイゾー 2011年 11月号』 さーせん、うちも「タブー」推しっス。 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます】 ・皇室ネタから見えてくる、「女性自身」の本気度 ・夫の遺産相続問題で浮かび上がった、萬田久子の実の息子との”不仲” ・愛子さま登校問題の中、思い出の美談を綴る「女性自身」の計算 最終更新:2019/08/30 12:37 次の記事 働き過ぎな小学生・芦田愛菜、義務教育は大丈夫? 文部科学省に聞いた! >