『家政婦のミタ』の人気の要因は、長谷川博己が演じる”クズキャラ”?
11月23日の放送で23.5%を記録し、この秋のドラマの中でトップの地位を固めつつある『家政婦のミタ』(日本テレビ系)。このドラマについては、その人気の要因は「松嶋菜々子の今までのイメージを振り切った演技にある」とか、「娘役の忽那汐里の説得力のある演技にある」などと報じられてきた。
しかし、インターネット上で密かに話題となっているのは、長谷川博己演じる父親・阿須田恵一のダメっぷりだ。恵一は、不倫の末に妻を自殺に追い込み、娘や息子に対しても父親としての自覚がない。また、イヤなことがあったらあっさりと「逃げる」ことを選んでしまうという、クズ極まりないキャラクター。
ただ、ここにきて最低な父親に対しての反応が男女で二分しているようだ。
女性側は、第1話で長谷川演じる恵一がミタにネクタイを直してもらって鼻の下をのばす表情を見せただけで、「あの演技が演出によるものだとしたら、逆にすごいなと思うぐらいかなりイライラしました」「このドラマでの長谷川さんは、単なる女好きで優柔不断で不誠実なへタレ父親だと認めて、そういうキャラなんだとあきらめましょう」と、役柄への拒否感と諦めの気持ちを露にしている。
ところがその逆で、意外にもそんなクズっぷりを受け入れている男性も少なくない。「あの最低で情けない父親に強く共感してしまうのが不思議」という意見や、「責任を負うことは逃げ出したいぐらい重いから、ある意味、世のお父さんの隠している本音であり、悲痛な叫びであるともいえる」と、女性とは正反対の意見が多い。
また、少し父親らしい顔を見せると、「来週もクズ父なら良いな」「またクズ続行して欲しい」とクズ父であることを望む声まである。
長谷川は、アラフォー女性の幻想にとことん付き合った映画版『セカンドバージン』や、問題から決して逃げない役を演じたドラマ『鈴木先生』(テレビ東京系)では思ったような数字を稼げなかったが、今回の『家政婦のミタ』ではきれいごとだけではない人間の恥部をさらけだしたことで視聴率に貢献した。
今後のドラマでは、長谷川が「クズ」のイメージを払拭することがなかなか難しいだろう。しかし、この人気に乗じて、ポスト長谷川と言えるクズ男キャラクターが増えるなんてこともあるかもしれない。この「クズ」キャラクターが、次期クールでの新ドラマにどんな影響を与えるかも注目だ。
(芦沢芳子)
ご苦労さまです
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