サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューギャンブル、借金、不妊! 「VERY」の新連載「離婚の花道」が濃厚過ぎる カルチャー [女性誌速攻レビュー]「VERY10月号」 ギャンブル、借金、不妊! 「VERY」の新連載「離婚の花道」が濃厚過ぎる 2011/09/13 16:00 女性誌速攻レビューVERY 「VERY」 2011年10月号/光文社 秋の気配が感じられるようになった今日この頃。ファッション誌の秋モードにもやっとついていける気候になってきました。「VERY」も「この秋はポンチョだ! コンフォートだ!」と今年のファッションの傾向を読者に示してくれています。特に今月号のイチ推しはなんといっても「コンフォート」のようです。 <トピック> ◎やめられない、とまらない! コンフォートの誘惑 ◎母ゴコロエコゴコロ MEGUMIさん ◎新連載 離婚の花道 ■「VERY」読者はいつでもどこでも戦っている 第1特集の「コンフォートの誘惑」のコンフォートとは、「VERY」が考えるに「動きやすいこと」「着心地(履き心地)がいいこと」「オシャレに着こなせること」だそうで、去年の「コンフォートシューズの逆襲」が好評だったのに加え、震災の影響もありニーズがさらに高まっているからの大特集だそうです(が、なぜ震災と関係しているかは書かれていませんでした)。 コンフォートにぴったりのアイテムは、スウェットパンツやマキシワンピ(これもスウェット素材が基本)、ヒールが高くないコンフォートシューズという3つ。ほかの雑誌でも見かけることが多い流行のアイテムではありますが、例えば働く女性読者の多い「Domani」(小学館)などでは、スウェットパンツはあくまでも休日か、出勤日でもなんらかのエクスキューズがあってこそ取り入れられるもの。また、「ヤンキースタイル」(7月号)などといったイロモノとして取り上げられています。 そんな働く女は決してメインにできない、いわゆる「オフ」のアイテムを日常使いできるのは、「VERY」の読者が持っている「自分は子どもや家族とコンフォータブルな暮らしを送るべき存在だ」という自信の表れのように思えて仕方がありません。 同じような思考からか、「LEE」(集英社)などでは年から年中コンフォータブルなものを着ているイメージがあります。同じコンフォータブルでも「LEE」読者は年がら年中、無添加食品を死に物狂いで買い漁っていそうですが、ママ友や姑、お受験などいろんなものと闘っている「VERY」読者とは違います。「Domani」(小学館)が取り入れたがる「ヤンキー感」(修羅場くぐってきた感)が「VERY」からは自然とにじみ出ているところでしょうか……。こればっかりは、一朝一夕ではどうにもなりません。 ■MEGUMIも戦っている さて、今月はヤンキー臭がそこはかとなく漂うMEGUMIも登場し、エコについて語っています。最近のMEGUMIは「ワンシーズンで着なくなってしまったファストファッションは、今回、東北の被災地に送りました」とのこと。また、被災地に対して何かできないかと考えた結果、東北の方たちの手仕事が得意な特性を生かして、「編み物で何かを作ってもらい、それを商品としてどこかに卸してビジネスとして成立させることができないか」と考えているそうです。 MEGUMIさんいわく「新しいシステムを創造するって大変ですけど、ものすごく楽しい。それが社会を変える力になるし、新しい社会を作ることになる」とのことですが、なんとなく壮大すぎてついていけないのは私だけでしょうか……。でも「”私なんかが”と尻込みしている時間はない!」という、ヤンキーっぽい自信と意気込みには頼もしさも感じました。 ■離婚する時も戦っている 今月号からは「離婚の花道」という新連載も始まりました。離婚経験を持つママ・大雪さん(仮名)に体験談を聞いているのですが、大雪さんは少々ヤンチャな人生を歩んで来られたよう。前のご主人との間には「ギャンブルと借金、そして不妊」という問題が山積みで、「20代で独立する、好きな車を買う、という彼の目標はなかなか実現しないし、やめると言ったギャンブルはやめないし、何も成し遂げてくれないし、と思っていたところに3度目の借金問題があって」別れを決意したそうです。 その後の人生も壮絶で、離婚問題でごちゃごちゃしていた時に同じ職場の既婚男性に相談していたころ妊娠(大雪さんはすでに離婚していたのでダブル不倫ではないとのこと)して、出産の2週間前にぎりぎりで入籍したとのこと。 この文章を読んだとき、「VERY」の読者層と大雪さんはちょっと合わないのでは……と思ってしまいましたが、恋愛強者の多そうな「VERY」読者ならば、これくらいのすったもんだを乗り越えて今の豊かな暮らしにたどりついたのかもしれません。だからこそ、優等生の「Domani」が喉から手が出るくらい欲しがっている「ヤンキー感」が、ナチュラルに醸し出せているのかも……。「離婚の花道」に、今後どんなママが登場するのか楽しみです。 (芦沢芳子) 「VERY」 しかし、「VERY」って読者もモデルもヌケ感がないよね~ 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・「VERY」の細部ににじみ出る、お受験ママのファッションと受験校のヒエラルキー ・「VERY」読者代表の1日に密着! 足場が崩れそうなギリギリの幸せを見た ・夫とは2カ月に1回……「VERY」のセックスレス特集から見えた「女の地獄」 最終更新:2011/09/13 16:00 次の記事 本当に平和? 女性週刊誌を振りまわす小栗旬&山田優の交際報道 >